『監督~?白、似合いますよぉ~。』と、新しいジャージを着てきた監督さんを、周りのママさん達がちゃかしています。
練習中は鬼コーチの清水さんですが、普段はちゃんとみんなから愛されている方なのです。
そんな彼女も、『似合うに決まってるやろ~!』と彼女らしい返しでみんなへ返します。
そして、『若い彼氏が選んでくれたんやもんなぁ~?』と僕に合図を送ると、姉も吉岡さんもイヤらしい目をして僕を見るのです。
『監督~?もう手出したぁ~?』
『うわぁ~!監督、食べたやろ~!』
『なぁなぁ?ユウくん?このお姉さん、優しくしてくれたぁ~?』
と、みなさんから一斉にからかわれてしまい、慣れない僕は、顔を真っ赤にしてしまうのでした。ママさんパワーに押されてしまいました。
約2時間の練習。ちょうど半分が終わった辺りで、小休憩となります。カーリングのモグモグタイムみたいなものです。
女性のみなさんが輪を作り、そこでおしゃべりを始めるのです。まだまだ居場所のない僕には、この時間はとても苦痛なもの。ノックをしてる方が楽なのです。
『ユウっ!』と言って、僕にスポーツドリンクを渡して来たのは、それに気がついた姉でした。寂しそうにしている僕を気づかってくれたのです。
その姉と同時に立ち上がったのは、吉岡さんでした。彼女からはカロリーメイトの差し入れです。僕は『ありがとう。』と言って、いただきました。
それを見た姉が、『あんた、彩ちゃんに気があるやろ~?』と突然いうのです。彩ちゃんとは、もちろん吉岡さんのことです。
『私、何年も見てるから分かるわぁ~。それ、気がつある目やないのぉ~!』と言われ、周りからもからかわれます。
吉岡さんも自分の顔に指をさし、『私?…、私?…、』とノリのいいリアクションをして、場を盛り上げるのでした。
最後に姉が、『残念やったな!もう旦那さんも子供もいるわぁ~。短い恋やったなぁ~。』と締め、場は笑いに包まれるのでした。
その日、それでも初めて間近で見た吉岡さんはとても可愛く、ちょっとしたアイドル顔をしていました。やはり美人なのです。
夜になると、『吉岡さん…。』と彼女を思い、自分の手で慰めてしまうのでした。
『吉岡彩香』さん、26歳。彼女がママさんになったのは、5年前のことです。子育てが一段落し、このソフトボール部へと入りました。
彼女も姉と同じで、高校でソフトボールをしていて、今ではチームの柱的な存在となっています。芸能人で言えば、AKBのたかみなってところでしょうか。
間違いなく、このチームのアイドルであります。気が利くし、おしゃべりも上手だし、結婚していても僕の憧れです。
しかし、そんな彼女には僕も知らない、ある秘密があったのです。
『佑香ぁ~…。佑香のオマンコ、びしょびしょよぉ~?どうするの~、これぇ~。』、僕の姉の名前を呼び捨てにし、こんなことを言っている女性。
それが、あの憧れの吉岡さんの姿とは…。
姉がソフトボール部に入ったのは、自分の意思よりも、すでに深い関係になっていた吉岡さんからの誘いだったのです。
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