私たちは、常田が持参した誓約書を見せられました。そこには、誓約書を守れなかった時の罰則として、警察への通告を受け入れることと違約金として1000万円を夫に支払う義務が発生することが明記されていました。「弁護士の私が言うのも何ですが、お二人はよくお考えになった方が良いと思います。もし、今、警察へ通告されたら、佐藤さん、あなたは間違いなく有罪になります。今度は、場合によって実刑の措置になるかもしれません。そうなったら、あなたはもう前科者ですよ。それに、失礼ですが、今のあなたたちに500万という慰謝料が用意できますか?かりに裁判になったとしても、あなた方は弁護人を雇わなければならない。当然、その頃には、佐藤さんは社会的制裁を受けているでしょうから、諸々の費用を準備するのはたいへんです。これから、どんなに苦しくてたいへんな道が待っているか想像つくでしょう?ご主人は、一か月間、我慢された・・・その間、お二人は楽しい思いをされた・・・でも、こんなこと、いつまでも続くわけがありません・・・ご主人が出された条件は、お二人がこれからの人生をやり直すためには、これ以上ないものだと思います。特に佐藤さん、あなたにとって。まあ、すぐに結論を出すのは難しいと思いますので、明後日のこの時間に、また伺います。それまでによく話し合って結論を出しておいて下さい。」常田はそう言い残すと帰っていきました。
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