私は、あの日、着の身着のまま、佐藤のアパートに転がり込んだので、着替えなど何もありませんでした。ただ幸いなことに、現金はほとんど手元にないものの、銀行口座には、私名義で当面生活できるくらいの預金があったので、大抵のものは買い揃えることができました。しかし、佐藤は買い物のために私が外出することを許しませんでした。よほど夫のことを警戒していたのだと思います。そこで、私は通販で必要なものを揃えることにしました。化粧品や洋服、下着など、私にとって、佐藤と一緒にカタログを眺めるのが楽しく幸せなひと時となりました。午後3時を過ぎると、私は、購入したばかりの化粧品で念入りにメイクを始めます。そして、これも通販で購入した服に着替えます。上はピンク色のニットのセーター、下は黒のミニのタイトスカートといった感じです。いずれも佐藤が選んだもので、鏡に自分の姿を映すと、スカートはお尻の大きさを強調するようにムチムチでパンティのラインがはっきりと浮き出ています。そのいやらしい自分の姿を目にして、恥かしさから思わず顔が赤くなります。でも、それらは全て佐藤のためなんです。佐藤が喜んでくれたら、それでいい・・・だって私はもう、佐藤の女になったんだと自分に言い聞かせました。仕上げは、これも佐藤がお気に入りの香水をたっぷりつけて、あとは佐藤が帰ってくるのを待つだけ。この時点で小さな製造会社に正規採用されていた佐藤が帰宅する時間は、だいたい決まって午後6時過ぎ、玄関のチャイムが鳴ると、私は大急ぎで玄関のドアを開け、その勢いで佐藤に抱きつくのです。
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