その日の夜、私のスマホに夫からの着信が入りました。私は出る勇気がありませんでした。「旦那からだろ、出なくていいのか?」佐藤の問いに、私は小さな声で「もう、出れないわ・・・」と答えました。そのうち着信音は消えましたが、しばらくすると、今度はショートメールが届きました。私は恐る恐るメールを開きました。「美穂、今、どこにいるんだ?」「家に着いた。お前がいなくて香奈が寂しがっている。早く帰って来い。」「どうして返事をよこさない?」「何やっているんだ」明らかに夫が苛立っている様子が手にとるようにわかります。「お前、もしかして、佐藤のところにいるのか?」「図星か。返事がないのが、その証拠だな。」「よし、一時間だけ待ってやる。一時間過ぎても連絡をよこさなかったら、その時は、俺にも考えがある。覚悟しろ」夫は脅しモードに入ってきました。しかし、それから一時間が経過しましたが、その後、夫からのメールはありませんでした。今さら、びくびくしていても仕方がありません。佐藤とよりを戻したことは、いつかは夫に知られることです。私は夫の影を振り払おうとスマホの側から離れ、台所に経ちました。「何か作るわね。お腹すいちゃった・・・」こうして、私は佐藤との同棲生活をスタートしました。この決断がこの先、どのような苦労を伴うものになろうとも、たとえ人生の階段を転げ落ちる結果になろうとも、夫を捨て、子どもを捨てた女として生きる道、佐藤という男とともに生きる道を私は選択したのです。この時点で、私は世間から後ろ指を指されることを覚悟で、普通の女の幸せというものを捨てました。もう、本当に後戻りができなくなりました。自分の親や親戚にさえ顔を見せることができなくなりました。
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