110番通報して、警察が到着するまでの約15分間、私は、ものすごく長い時間に感じました。その間も、佐藤はもと居た位置で立ったまま、身動き一つ、しませんでした。やがて警察が到着し、佐藤は家宅侵入罪の現行犯で逮捕されました。佐藤がパトカーで警察署に連行された後、私と夫は1時間以上、警察官から事情聴取を受けました。夫は、これまでの経過を話し、証拠品として、例の防犯カメラのビデオを提出しました。もちろん、私は夫から口止めされていたこともあり、佐藤との関係については何も話しませんでした。全て、佐藤にとって不利な条件がそろっていました。まさに、夫の用意周到さがいかんなく発揮された完璧な復讐計画だったのです。さて、一方の佐藤ですが、これは後で聞いたことですが、彼は警察での事情聴取で、私との関係については一切、話さなかったようです。つまり、佐藤は、そのことが自分にとって有利になるか不利になるかわからないものの、真実を暴露することで私を巻き込み、その結果、二人の爛れた関係が公になることで、夫に対して少なからずダメージを与えることはできたはずです。しかし、彼はそういう行動をとりませんでした。結局、佐藤は今回は初犯ということで起訴猶予処分になりました。ただし、次のような場合には「再起」されるという厳しい条件つきでした。すなわち、同じことを繰り返すこと(これには私に対するストーカー的行為が含まれます)、さらに、私をはじめ家族に対して不快な思いをさせること。要するに、これは「今後二度と私たちに関わりを持つな」という条件つきの起訴猶予処分ということになります。そして、起訴猶予処分と言っても、佐藤にとって大きな代償を払うことになったのが、仕事でした。この事件は小さいながらも実名入りで一部、新聞報道されましたし、何より、犯罪を犯したのが仕事の途中であったことは、佐藤にとって致命傷と言えるものでした。佐藤は、当然のごとく即日、懲戒解雇されたようでした。まさにこれらは全て、夫が望んでいた通りの結果でした。これで、夫の佐藤に対する復讐計画はほぼ目的を達して終了しました。夫の次なる復讐の相手・・・すなわち、私に対する復讐はまさにここからが本番・・・いよいよ、私にとって地獄のような毎日が始まることになるのです。
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