次の日の夜、私のスマホに着信が入りました。私は、直前に夫から一時的に返されたスマホを手に取りました。それは予期していた通り、佐藤からの電話でした。「もしもし・・・」「今、大丈夫か?」「はい・・・あの人は書斎にいます・・・」実は、この時、夫は私の目の前にいたのです。「そうか・・・明日、いつも通り、大丈夫だよな・・・10時、待ってる・・・」「・・・あのう・・・明日は、ダメなの・・・ゴメンなさい・・・行けないわ・・・」「何?・・・どうしてだ?」佐藤の語調が強まるのが分かりました。これまで、生理の時ですら佐藤の誘いを断ったことが私が、初めてNOと言ったのですから、それは佐藤にとって、まさに予想外の展開だったはずです。「主人のお母さんの具合が悪くて、お見舞いに行かなければならないの。ついさっき主人に頼まれて・・・」全て、事前の打ち合わせで、夫に言われた通りに私は返答しました。「何とかならないのか?」「・・・無理だわ・・・」「おい、まさか・・・アイツにばれたんじゃないのか?」「・・・いいえ・・・それは大丈夫・・・」「そうか・・・ちきしょう・・・ついてないな・・・わかった、明日は我慢しよう・・・何とか明後日の昼間、時間をつくって、お前の家に行く・・・そうだな、1時くらい・・・必ず家にいろよ!」「・・・ハイ・・・わかりました・・・」私はスマホを切り、夫に渡しました。「アイツ何だって?」「明日は諦めるそうです・・・その代わり、明後日の1時くらいに、来るって・・・」「そうか・・・全て予定通りだ・・・よし、今日から、お前はこれを使え・・・」そう言って、夫から新しいスマホを渡されました。「いいか、これから、お前はこのスマホで俺と連絡を取り合う・・・したがって、お前は誰からの電話であろうとも、自宅の電話に出ることは許さん・・・そのスマホはセキュリティで登録してある3ヶ所にのみお前から電話ができる、とりあえず、俺のスマホ、香奈の小学校、お前の実家の電話番号を登録しておいた。もう、このスマホは解約する・・・いいな。」「・・・ハイ・・・」「これで、お前が裏切らない限り、アイツがお前と連絡する手段はなくなったわけだ・・・まあ・・・あくまで、お前が俺を裏切らなければの話だが・・・」「大丈夫です・・・そんなことしません・・・」「そうあって欲しいね・・・」夫はニヤリとしながら言いました。
※元投稿はこちら >>