とうとう私は大胆な行動に出てしました。それは夫の日記に書き込むこと・・・「あなた、ゴメンなさい。怒られるのを承知で、日記読んでしまいました。今さら、言い訳などできないことは、十分、分かっています。でも、一度だけ、本当に一度だけでいいです。どうしてもお話ししたいことがあります。お時間をいただけませんか?お話できたら、後は全てあなたにお任せいたします。今日の夜、私は居間におります。一晩中、待っています。美穂」夫のパソコンに書き込みをした日、私はいつもより娘を早く寝付かせ、その後、居間に下りて夫を待ちました。この日も、相変わらず夫はほとんど口をきいてくれず、夕食を終えると、すぐに書斎へと篭ってしまいました。時計の針が12時を指し、居間のソファでウトウトしかかった時でした。居間のドアが開き、夫が入ってきました。「あなた・・・」夫は私の前を通り過ぎ、一度、台所へ行くと冷蔵庫から缶ビールを取り出し、それを持ってソファに戻ってきました。「あなた・・・来てくれたんですね・・・」夫は缶ビールを開け一口飲むと、重い口を開きました。「それで・・・話って何だ?」「・・・ハイ・・・今さら、何を話しても、あなたには言い訳としか聞こえないでしょうけど・・・」「ああ・・・その通り・・・俺にバレたことが分かったから・・・何とかしなきゃと思っただけだろう・・・ばれなけりゃ、俺の目を欺いて、アイツといつまでも好き勝手やってたよな・・・なっ、そうだろう!」「・・・ゴメンなさい・・・でも、どうしても本当のことを話しておきたいの・・・」「本当のこと?・・・お前さあ、パソコンみたんだろう・・・だったら、俺が探偵社に調査を依頼したのは知っているよな・・・」「・・・ハイ・・・知ってます・・・でも、そうじゃなくて・・・私が、こういうことになった原因とか・・・」「はっ・・・それこそ今さら、そんなこと聞かされて何になる?・・・お前が俺や娘を裏切ってきた事実にかわりはない!・・・お前には妻として、また母親としての資格はないんだ!」「・・・ゴメンなさい・・・本当にゴメンなさい・・・」「いくら謝っても・・・ダメだ・・・もう遅い・・・日記に書いた通り、今の俺の頭の中は、お前と佐藤に対する復讐のことで一杯だ!」「・・・お願いします・・・少しだけ・・・私に時間をくれませんか?・・・お願いします・・・」「いや・・・時間の無駄だ・・・それに聞いたところで俺の気持ちは変わらない・・・」「それでもいいです・・・お願い・・・じゃあ30分だけ・・・下さい・・・お願いします・・・」私は必死で夫に頼み込みました。その甲斐があってか、夫はしぶしぶ私の話を聞いてくれることになりました。
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