○月○日
今日、佐藤から電話があった。久しぶりにあって飲まないかだと・・・。女房を寝取られた情けない亭主をツマミニしながら美味い酒を飲もうと言う、まさに佐藤が考えそうな卑劣な計画だが、仕事を理由に断ってやった。何でもお前の思い通りに行くと思ったら大間違いだよ。確かに俺は高校時代、アイツに借りがあると言うより弱みを握られていると言ったほうが正しいか・・・。若気の至りで犯してしまった事件、それは、俺にとって、今でも深い心の傷として残っている苦い経験だ。こんなこと、誰にも話したことはない、もちろん妻にだって・・・。知っているのは、佐藤だけ。佐藤という男は、高校時代から悪魔のようなヤツだった。狙った獲物は逃さない、欲しいものは何でも手に入れるというタイプの我侭勝手な男だ。特にオンナ癖は悪く佐藤に泣かされた女生徒は片手では足りなかったと思う。俺は、もちろん佐藤のことを内心嫌っていたが、たまに恩恵にこうむれるので、まあ適当に付き合っていた。そして、あの日、たまたま一緒に帰った時、事件は起きた。かねてから佐藤が好意を寄せていた学年で俺より1つ下の女子と郊外で偶然に会い、その後、佐藤は彼女を人目の少ない神社に誘った。俺は、そこでしばらく二人にして欲しいと頼まれ、その場を離れた。およそ30分後、そこへ戻ってみると、社務所から少し離れた草むらで、重なり合う二人の姿を目にしてしまった。大きく開いた白い足、その中心で上下する佐藤の汚い尻が見え隠れしている。周囲には女生徒のすすり泣く声がかすかに漏れ聞こえていた。俺は生の刺激的な光景を目にして興奮し、勃起していた。やがて、佐藤の動きが止まった。そして立ち上がり、パンツを履き終えた佐藤はこちらを見て、俺がいるのを確認した。「なんだ・・・戻ってきていたのか・・・」俺は少し近づくと、女生徒はだらしなく両足を広げたままでじっと動かずにいた。Tシャツは捲れ上がり、乳房が半分だけ露出していた。「おい・・・どうだ・・・お前もやれ・・・いいぞ・・・」悪魔の囁きが、俺の欲望に火をつけた。しばらくすると、俺はその女生徒の乳房にむしゃぶりついていたのだ。今、思えば、若さだけでは当然、許されない過ちを俺は犯してしまった。しかも、佐藤との共犯者である。俺はその女生徒に訴えられるのではないかとビクビクしていたが、その後、女生徒は転校してしまい、この事件は闇に葬られることになったのである。ただ、俺と佐藤との共犯関係という事実だけを残して・・・。それ以来、俺は佐藤に頭が上がらなくなった。二人の関係は単なる先輩後輩という関係ではなくなったのだ。事あるごとに、私は佐藤の無言のプレッシャーを感じずにはいられなかった。おそらく、佐藤も俺のことを「何でも言うことを聞く便利なヤツ」くらいに見ていたはずである。そして、その佐藤がターゲットにした相手が、何と美穂だったというわけだ。悪魔はやはり悪魔だった・・・。
《妻の回想》夫の秘密を初めて知りました。まじめな夫が犯した過去の過ち・・・それが佐藤と夫の関係を決定づけていたのだと言うこと、また佐藤が今でも常に夫に対して優位に立っている訳がそこにあることも理解できました。そして、夫が私との関係を気づいているかもしれないことを相談した時、「オレに任せておけ」と言った佐藤の言葉の意味も何となく分かるような気がしました。でも、佐藤は「もし私との関係が本当に夫にばれたら、どうする気なんだろう?」一瞬、私の頭をそんな不安が過りました。
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