私は、まず「Foto」のフォルダを開いてみました。そこに現れた多くの写真・・・それは誰が撮ったものかわかりませんが、何と、ほとんどが私の写真でした。しかも、ここ最近のものばかり・・・。『これはあの人が撮ったの?』そして、その多くには私と一緒に写っていてはならぬもの、すなわち佐藤の姿があったのです。最初の方の写真には、佐藤と一晩を過ごした旅行の日の様子・・・佐藤の車に乗り込む私の姿、高速道路のSAで休憩する姿、伊豆の旅館に二人並んで入る姿などが鮮明に写っていました。『やっぱり、あの人・・・全て知っていたんだわ・・・』私は予想していなかった事態に、気が動転し、マウスを握る手が小さく震えていました。その後も、息が詰まる思いで、写真を1枚1枚確認していきました。我が家に入る佐藤の姿、佐藤の家を訪れる私の姿、中には、車内で抱き合ってキスをしている姿や、昼間の公園のベンチで抱き合う姿など、思わず目を覆いたくなる写真までありました。『こんな写真まで・・・』確かに、この公園には覚えがありました。佐藤に面白いところを見つけたから・・・と言われて佐藤の家から車で一回だけ連れてこられたのが、この公園でした。少し山に入った人里離れた公園・・・ベンチ以外は何も無く、草は生え放題で、手入れが行き届いていないのがはっきりと分かる公園だったと思います。写真には、ベンチに座る佐藤の膝の上に座り、両手を彼の背中に回して濃厚なキスを交わしている私の姿が映っていました。それから10枚近く、見るに耐えない、その時の現場写真が続いていました。佐藤が私のスカートを捲り上げてお尻を撫でている写真、佐藤の手がキャミソールの中に入り込み、私の乳房を愛撫している様子がはっきりと分かる写真、私が佐藤の前にかがみフェラをしている写真、そして男の膝に跨った私が、髪をかき乱して仰け反りながら悶えている写真など。その生々しい痴態の数々を顔から火が出る思いでみた私は、今さらという感じですが、改めて自分の背徳的行為の罪の重さを思い知らされたのでした。『本当に私・・・なんていうことをしてきたんだろう・・・』『いったい、この写真は・・・』『あの人は・・・どういう気持ちでみたんだろう・・・』次から次へと、まるで走馬灯のように、いろいろな思いが頭を過ぎりました。全部で、およそ50枚ちかくの写真・・・最初は夫が撮影したものかと思いましたが、「Diary」のフォルダを開けると、その中に、その真相が書かれてあったのです。夫の日記は、あの温泉旅行から帰ってきて、3日後から始まっていました。
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