そんなある日のこと、昼間、私は夫の書斎を掃除していました。『あの人・・・毎晩、ここで何をしているんだろう?』そんなことが頭を過ぎった時、デスクの上のノートパソコンにふと目がいきました。私は、何かに取り付かれたように椅子に座ると、ノートパソコンを開けたのでした。電源スイッチを入れ、しばらくすると、パスワードを要求する画面が現れました。『パスワード?』とりあえず私はキーボードで夫の生年月日を打ち込んでみました。予想はしていましたが、簡単にはじかれ、再度、パスワード要求画面が出てきました。『いったい・・・何かしら・・・』私はその後、適当に思いついたことを試してみましたが、全てヒットしませんでした。『こんなことなら・・・2年前に買った時に・・・聞いておくんだったわ・・・』私の頭に2年前という言葉が響きました。まだ、佐藤が現れる前、私たち家族が幸せだった頃に買ったパソコン・・・『だとしたら・・・夫が一番、大切にしていた記念日・・・もしかしたら・・・」私の頭に、ある数字が浮かび上がりました。それは夫が私にプロポーズした日でした。私は夫がその後、パスワードを変更していないことを祈りながら、その数字を打ち込みました。そしてEnterキーを押すと・・・『やった!』私の目に前にWindowsの画面が現れたのです。『やっぱり・・・あの人・・・変えていなかったんだわ・・・』そう思うと、なぜか胸が熱くなりました。私は、とりあえずデスクトップを見渡しましたが、これと言って気になるものはありませんでした。次にマイドキュメントを開いてみました。すると、その中に「My Room」というフォルダがあるのに気づきました。私は恐る恐る、そのフォルダを開けてみると、そこにはさらに「Diary」「Foto」という2つのフォルダがありました。私は、それからおよそ1時間、夫のノートパソコンに向き合いながら、驚愕の事実を知ることになるのです・・・。
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