翌朝、私は部屋をノックする音で目が覚めました。「あのう、お客さん・・・」私は佐藤の胸を枕にして、逞しい腕に抱かれながら眠りについていました。明け方まで続いた激しい交わりのおかげで、おそらく3時間程度しか寝ていなかったと思います。佐藤はまったく起きる気配がありません。枕もとの時計の針はすでに7時30分を指していました。再び、部屋がノックされました。「お客さん、いらっしゃいますか?」「はい」私は起き上がりながら返事をしました。もちろん、佐藤も私もその時は全裸です。「朝食の準備にきました。よろしいですか?」(そういえば、昨日、仲居さんが朝食の部屋食準備の時間のことを言っていたわ・・・)そのことを思い出した私は、一気に眠りから覚めました。「すみません、寝過ごしちゃいました。30分、お時間いただけませんか?」私はとっさにそう返事をしました。ドア越しにヒソヒソと聞き取れない話声がしました。やがて「わかりました。30分後に伺います。」という声を聞いて、私はホッと胸を撫で下ろしました。どう考えても、今すぐに他人を部屋に入れる状況ではありませんでした。私は改めて、あたりを見渡しました。2枚敷いてある布団、そのうち一枚はほぼ手つかずのまま、そしてもう一枚の布団は・・・目の前で寝ている男と私が貪りあった愛欲の一夜を象徴する乱れようでした。私の寝巻きや下着は布団から離れた畳の上に無造作に脱ぎ捨てられ、布団の上や周囲には丸められたティッシュが無数に散乱していました。そして依然として眠り続ける佐藤は色黒い裸体を晒し、その中心には、私を一晩中、狂わした凶器のようなペニスが寝ていてもなお大きな存在感を出して私の目をくぎ付けにしました。私はとりあえず、脱ぎせててあった浴衣を羽織りながら「ねえ、起きて」と佐藤に声をかけました。
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