夫は、自分で歩くことも侭ならず、結局、そのまま男に支えながら家に入りました。とりあえず、居間に運んでもらいましたが、夫はソファにおろされるなり、そのまま横になって寝てしまいました。「あなた・・・起きて・・・飲みなおすんじゃないの・・・」私が肩をゆすりながら、何度、声をかけても、すでに寝息をたてている夫は、まったく起きる気配をみせませんでした。「奥さん・・・・ダメですよ・・・こうなったら、もう無理でしょう・・・とにかく、このまま布団まで運んだら、今日は帰りますから・・・」「本当にスイマセン・・・あとはやりますから・・・あらためて今度、ゆっくり遊びに来て下さい・・・」「そうさせてもらいます・・・でも、この状態では、奥さんの力じゃ無理でしょう・・・いいですよ案内して下さい・・・寝床まで運びますから・・・」私は、この男の申し出に一瞬のためらいがありましたが、その場は好意と受け取り、2階の寝室まで運んでもらいました。「それじゃあ、帰ります・・・」夫をベッドに寝かせるなり男は部屋を出ながら言いました。「ありがとうございました・・・」私は振り向きざまに男の背中に声をかけると、寝室のドアを閉め、男の後を追って1階におりたのでした。「奥さん、申しわけありませんが、お水を一杯いただけませんか?」男は玄関で靴を履きながら言いました。「ああ・・・すいません、気づかなくて・・・ちょっとお待ちください・・・」私は慌てて、キッチンへとむかいました。
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