『どうしたのかなぁ~?と思って…。』、先に口を開いたのは僕でした。『タケ君には関係ないから。』と冷たく言う先生。
僕はもう、『息子』ではないようです。『なにかあった?』と聞きますが、『だから、タケ君には関係ないって。』と交わされます。
しかし、『義母さんいないと、なんか寂しいし。』と言うと、先生の雰囲気が変わります。玄関が暗くて、よく見えないのですが、泣いたように思えました。
先生は、『ちょっと、上がって…。』と言って、先に奥へと戻ります。僕も靴を脱いで、その後を追うのです。
リビングに通され、すぐにお茶が出されました。ここでも、他人行儀を貫くようです。しかし、先生のその目は赤く潤んでいます。
『心配掛けてる~?』と震えた声で聞かれました。『父ちゃんは知らんけど、僕は心配してるわぁ。』と答えます。
少し、寂しそうな顔を見せた先生にきづき、『けど、父ちゃんも心配してると思うよ。』と続けますが、きっと先生の心には響いてはいません。
しばらくして、『タケ君も大人だから、大人として聞いて。』と言われます。普段ニコニコ顔の僕も、それを聞いて、さすがに真面目な顔を作ります。
『私、こんな年でしょ?旦那も子供もいたし、ずっ~とここで生活してたの。それを否定されたら、どうしたらいいの?』、言った先生の目が更に潤みます。
『タケ君のお父さんにも奥さんがいて、三人で生活してたでしょ?けど、それを私は否定したりしないよ~。愛してたと思うから。』と更に熱くなります。
『だったら、私のことも分かってよ~!旦那さん好きだったんよ!今でも好きじゃわぁ~!』、そう言い切った先生は、顔を手で隠します。
顔は大きく揺れ、手で隠して見えない口からは、『シュン…、シュン…、』と悔しさからの声が出されていました。
先生がその顔を隠した手を外すのには、少し時間が必要でした。ゆっくりと手が離れると、目は真っ赤になって潤み、頬まで涙で濡れています。
あてていた手も濡れていて、着ていた服で拭き取りますが、すぐに涙と鼻水を拭きにいっています。
先生は下をうつ向き、流れ出る涙を何度も拭いていました。僕に次の言葉を掛けたいようですが、とても無理そうです。
『ごめん…、ごめんねぇ~…。』、ようやく出た言葉がそれでした。鼻をすすりながらでも、なんとか声を掛けてくれたのです。
先生の顔が上がり、今度は上を見上げます。涙がまだとまらないようで、『あ~、泣いてしまうわ~。』と言って、止まるのを待っているようです。
そして、少し涙が収まった頃。先生の顔は正面を向き、僕を見ました。その顔は何かを伝えようとしていて、僕も身構えます。
『君のお父さんと性交渉したのが始まりなの。』、その言葉に耳を疑います。あの真面目な先生が、『性交交渉』という言葉を僕に言ったのです。
『ほとんどお付き合いらしいことはしてなくて、君のお父さんと性交渉してしまったの。
お父さんとのこと悪く言ったけど、君のお父さんも、先生もだけど寂しかったのよ。その~…、セックスのことだけじゃないんよ?』と聞かされます。
もう、話の内容など頭に入りません。先生が言った『セックス。』という言葉が、何度も僕の頭の中で繰り返されてしまいます。
『だから、もう少し時間が掛かると思うの。』とそれが先生の答えでした。やはり、ちゃんとお互いが分かる前に、二人は結ばれてしまったようです。
『うん。わかった。』と告げると、先生も少し安心したのか、険しい表情が和らぎます。優しい表情ではありませんが、これが先生の顔なのです。
向き合って真面目に話をしていた二人ですが、ようやくその呪縛から開放され、僕はソファーにもたれるように倒れ込みます。
先生がテレビをつけてくれて、ようやく母と息子の2日ぶりの団らんの時間が訪れるのです。
先生が『お風呂は?入った?』と聞いて来ました。『まだやけど、家で入るわ~。』と伝えますが、何も言わずに先生はお風呂場へと向かいました。
戻ってくると、『入ってかえり~。』と言われます。先生はリビングから居なくなると、戻って来た時の手にはバスタオル、そして男性もののパンツが持たれています。
『それ、誰の?』と聞くと、『息子用~。たぶん合うよ。まだ使ってないから。』と言われます。やはり、義母です。二人の息子の下着サイズを知っています。
それをセットにして床に置き、先生の手にはまだ何か持たれていました。ピンクのバスタオルと先生のパジャマ。そして、下着まで…。
その下着に見覚えのある僕は、顔がこわばります。二人が旅行中に部屋に忍び込み、パンティー2枚を拝借したからです。
先生も自分用のセットを作り、床に置きました。しかし、それには意図があるようです。わざわざパンティーが一番上に置かれているのですから。
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