僕は、先生の身体の上に乗り上げていました。彼女と身体を合わせるように重なり、僕の顔は彼女の耳元へと降りていきます。
先生の首すじへと口を寄せ、『好き…、大好き…、』と言いながら、そこへ唇を這わせるのです。先生はしばらく、僕の行動を見ているようでした。
しばらく、先生の首や耳の裏側に口づけをしていた僕。この後、『望まないセックスを強要してくる。』と思っている先生は、その時のために備えます。
しかし、僕の動きが止まるのです。そして、彼女の耳元で囁きます。『先生?今夜、父ちゃんとやるから…。』と。
上を向いていた先生の顔が、僕の方へと向きます。そして、『なにをよぉ~?』と僕に聞くのです。
僕はまた、彼女の耳元で囁きます。『いろんなこと…。決着をつけないと…。』と言うと、『大丈夫~?』と心配されました。
それでも、『先生さぁ~、僕に「助けてくれんのん?」って言ってたでしょ?だから、助けてあげるんのん…やで。』と安心をさせてあげるのです。
先生の身体が震えていました。それは、彼女が僕を抱き締めたからわかるのでした。顔を上げようとしますが、彼女の手で頭を押さえ込まれます。
今の自分の顔を、僕には見られたくはないようです。
午後7時を回りました。父が帰ってくるまで、後30分。僕と先生はリビングに移動をしていて、無言のままその時を待つのです。
30分ほと前に、『私も行くから。』と告げられました。大きなことを言っていた僕は、『一人でいいよ。』と言いましたが、先生の決意も固いのです。
そして、予定よりも早い午後7時15分。心配した父が掛けてきたのは、先生の携帯にでした。電話に出た先生は『うん?家。私の家…。』と冷静に答えます。
しかし、次の瞬間『ごめん。そっち、私の家じゃないわぁ~。私の家はここ。用があるなら、あなたがこっちに来て!』と言って、電話を切るのです。
電話を切られた父の顔が、目に浮かびます。心配そうに僕が見詰めると、『やるんだったら、こっち。』と笑顔を見せる先生でした。
なかなか父は現れませんでした。それでも30分後には外の重い門が開き、カギの開けられた玄関が開きます。
『こっちいるよ~。』と先生が声を掛けると、父は玄関で靴を脱ぎ、そしてリビングに現れました。
現れた父が、まず見たのは先生ではなく、僕の顔でした。いる可能性はあると思っていても、本当にいたのが分かると、父の顔色が変わります。
『おい!帰るぞ!』と父は、先生に向けて言います。先生のは、『帰るんだったら、ここ。ここが私の家なの!』と答えるのです。
父は、『どうしたんや~、お前は~?』と呆れたように先生を見ます。父が下手に出ているのは、まだ状況を把握仕切れていないからでした。
朝、あれだけ協力的だった先生が、帰ってくると別人のように冷たく当たって来ます。父には、それが測りかねているのです。
『父ちゃん?』、僕が声を掛けると、父はうっとおしそうに僕を見ます。父が用があるのは僕ではなく、服従させていると思っている、そっちの女性なのです。
『なんやー?』と言う父に、『あのさぁ~。僕、その人とセックスしてたんよ。今日。』と告げます。
『はあ?』と父が顔色を変え、それは先生も同じでした。僕のまさかの先制パンチだったのです。父は、『ほんまかぁ~?』と僕に聞きます。
まだ怒りまでは来ないようです。『僕、その人が好きなんよ…。』と言うと、父の標的は僕ではなく、先生に変わります。
『お前、それほんまか?』と先生に言うと、もう引き下がれない先生は、『ほんと…。』と言って、頷くのです。
父は『お前、自分の子供と分かって、それやってるのか?』と言うと、先生は『違うぅ~!その子はあなたの子!私の子供じゃないですぅ~。』と答えました。
この先生の言い方が舐めたようで、父の怒りに火がつきます。この話し合いは、ここからが本番なのです。
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