『少し眠る?』、先生が気を使ってくれます。お互いにセックスで疲れているのです。僕は『そうする?』と返事をして、先生と寝室へと向かうのです。
寝室につくと、先生は新しいシーツの準備を始めます。汚れたシーツを交換するのです。先生は汚れたシーツをサッと剥ぎ、そこへタオルを一枚敷きます。
残念ながら、先生の流した愛液の溜りは、ベッドの一部をマットまで浸透をしてしまっていたのです。
それぞれのお互いのことを思い、口には出さず、無言で新しいシーツを敷くのでした。
ベッドメイクが終わり、先生の手が紫のナイトローブに掛かります。紐はほどかれ、薄いグリーンの下着姿になります。
僕は、そこで当たり前のことに気がつくのです。先生と一緒に眠ることを。セックスはしました。しかし、女性と一緒に眠るのは違います。
僕は、生意気に着ているホーブの紐をほどき、トランクス姿となって、布団へと入るのです。下着姿の先生は、それをずっと待っていました。
きっとそうやって、いつも旦那さんを先に布団へ入れていたのでしょう。
僕が先に布団の中へ入ったのを見届けた先生は、『大丈夫~?』と僕の足先で確認をしてから、自分の身体を入れてきます。
僕と先生は二人並んで、眠りにつこうとします。残念ながら、腕まくらしてあげる余裕がないのです。
ドキドキしながらも、『先生、早く眠ってくれぇ~。』と祈ります。それは、抱き締めてあげられないこの状態が間違っているのを分かっているからです。
このイビツな状態は5分ほど続き、それでもようやく先生の方から寝息が聞こえ始めます。先生が寝たのを確認した僕は、あることを考え始めるのです。
それは、やはり父のことでした。今、会社で仕事をしている父は、妻と息子がこうなっているとは夢にも思わないでしょう。
朝も、自分が出掛ける時に先生まで連れ出し、僕との接触を警戒した父です。それに、先生を『もう完全に手なづけられた。』とも思っていることでしょう。
そんな父と、僕は戦わなくてはいけないのです。先生が僕に言った『助けてくれんのん?』は、彼女の本当の叫び。心の声なのです。
そして、僕の気持ちは決まります。『決戦は今夜。』です。明日の日曜日ではダメ、今夜父と決着をつけるのです。
『早く、先生を楽にさせてあげたい。』、僕はその一心なのでした。
そう気持ちが固まった頃、『ウゥ~ン…、』と横で寝ている先生が声をあげます。寝言だと思い、僕は無視をします。
しかし、更に『ウゥ~ン…、』と声が上がり、今度は身体が動きます。先生を見ました。目がぼんやりと開いて、こっちを見ているのです。
すぐに、彼女は僕の身体に抱きついて来ます。僕も『チャンスだ。』とばかりに、先生を抱きしめるのです。
それはちゃんと思い描いた『腕まくら』の体勢となり、ようやくこの形になりました。先生も、このイビツさには耐えられなかったのです。
先ほど誓った『先生を楽にさせてあげたい。』という思い。取り合えず、この腕まくらからスタートしてみます。
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