どのくらいの時間が経ったでしょう。『早く落ち着いてくれ。』と願いながら、ずっと抱きしめていたので、とても長く感じました。
それでも、久しぶりの先生の身体です。彼女の体温、彼女の鼓動を感じています。僕の胸元を押す乳房も、帰って来たのです。
しばらくして、『クスッ。』と耳元で先生が笑います。泣いていたことが、少し恥ずかしくなったのでしょう。
しかし、泣きやんだのに僕から離れようとはしません。僕は触れ合っていた頬をずらし始め、先生の唇へと寄せていきます。
次の瞬間、先生の身体が後ろにしなります。離れた顔が、僕の目を見ていました。そして、先生の方から僕の唇を奪いに来るのです。
6日ぶりの先生の唇。あの日、何百回と重ねたあの唇の感触が甦ります。彼女を抱きしめていた腕は外れ、先生の小さな顔を押さえつけての激しいキスです。
狂ったように、お互いの唇を奪い合います。『ハァ~…、ハァ~…、』と息が切れ掛かっているのに、それでも二人ともやめようとはしません。
それどころか、僕の出した舌に、先生の方から舌を絡ませて来ます。6日前にはほとんど出来なかった、大人のキスです。
あまりの激しさに、お互いに笑ってしまいます。それでも、どちらかが『もうやめよう。』と言うまで、やめようとはしないのです。
一瞬、先生の唇が逃げました。僕もそれに合わせて唇を離します。顔が合うと、お互いに笑いあってしまいました。
笑った先生の口からは唾液が流れていて、彼女はすするように口の中へと仕舞います。『好きです…。』と僕が言うと、先生はうなづきました。
そしてまた、狂ったように唇を求め続けるのです。
ようやく二人が離れたのは、10分以上が経ってからのこと。お互いの口の回りは赤くなり、誰が見てもキスの後だと分かります。
先生は『タケ君にお話しがしたい。』と言ってくれました。もう、彼女一人ではどうしようもないほどに絡まった問題のようです。
『1回、私の家に行こう。』と先生は僕を誘います。父の匂いの残るこの家では、話はしたくないようです。
僕はもしものために、近くのコインパーキングへ車を停めに行きます。僕の車が駐車していることで、先生の家にいることを父に知られたくはないからです。
その足で、僕は先生の家へと向かうのです。
玄関が開くと、口のまわりを赤く染めた先生が出迎えてくれます。カギを締めて、6日ぶりのこの家へとあがります。
僕はソファーに、先生は絨毯の床へと座り込みます。そして、先生がその悩みを僕に打ち明け始めるのです。
『タケ君、私のことどう見えてる?』、この言葉で始まりました。『やっぱり、真面目かなぁ~?』と素直に答えてあげます。
その言葉に、『そうよ~。私、真面目なの。だから、言いたくもないこともあるの。』と、僕の答えは正しかったようです。
『私、タケ君のお母さんには何回もあったことあるし、お世話にもなりました。けど、タケ君のお母さんのことは、正直よく知りません。』と続けます。
『言ってる意味わかる?』と聞かれ、僕には理解が出来ません。『亡くなった方にこんなこと言うのはアレだけど…。』、そう言った先生の言葉が詰まります。
それでも、『もう言葉選ばずに言うねぇ~。私は、あの人のセックスの奴隷にはなれないの!』と強く言われます。
更に、『マンコやチンポや、そんなこと言わされて喜ぶような女じゃないの!なんで、そんなことして嬉しいん~…、あの人…。』と白状してくれたのです。
『セックスって、そんなのばかりじゃないでしょ~…。あの人、奴隷にしたいだけよ…。』と言って、先生の言葉は止まりました。
僅か10分足らずの話しでした。全部は話してなくても、その言葉の端々で父が先生に強要していたことなど想像が着きます。
『ごめんねぇ~。』と僕が謝ると、『ダメ!君が謝ったらダメ!』と先生は僕をかばってくれるのでした。
そして、『ごめんねぇ。私、どうしていいのかもう分からなくて…。』と頭を下げた先生。僕はまた、そんな先生を抱き締めてあげるしか出来ません。
気休めで、『僕がなんとかするから~…。』と言ってあげますが、なんの解決策もなく、それでも抱き締めてあげるしか僕には出来ませんでした。
しばらくして、抱き締められていた先生の身体から力が抜けました。僕も彼女を離します。先生の身体はストンッと床に落ち、正座のまま座り込みます。
しかし次の瞬間、彼女の手が僕の腕を掴みました。正座をしていた先生はゆっくりと立ち上がると、僕の手を引きます。
そして、『昨日、お父さんに抱かれた身体よ。タケ君、私のこと抱ける?』と僕を誘うのです。先生に引かれ、彼女の足は風呂場へと向かっています。
しかし、その廊下で彼女を掴まえました。全てを話してくれ、それどころか昨日父に抱かれたことまでも僕に包み隠さず言ってくれました。
女性として決して言いたくはないことばかりです。それを先生は僕を信じて、話してくれました。それがとても、けなげに思えたのです。
唇は重なり、先生の服の中へ僕の手が入り込み始めます。『タケ君、わたし汚いから~…』と言われますが、僕は止まりません。
『お風呂入ってからにしよ?』と言われましたが、僕は先生の手を引きました。『私の身体、汚れてるって~…。』と先生は抵抗をします。
しかし、その軽い身体は僕の力にはかなわず、2階への階段を引っ張られるようにしながら、上がって行くのです。
向かったのは、初めてこの家に入った時に『ここはダメ!』と断られたあの部屋。そう、先生の寝室です。
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