ソファーにくつろいでいた父が、『久美子~!ビール出してや。』と先生に言った。先生は冷蔵庫の缶ビールを取り出すと、グラスと一緒に父に手渡します。
僕の頭は、父の言った『久美子!』という呼び方に引っ掛かっていた。父が先生を『久美子』と呼んだのは、結婚して僅かの期間だけ。
あとはずっと、『お母さん』と『お前』のこのどちらかだったのだ。それが今また先生の本名で呼び始めた意図とは何なのでしょう。
話は、昨日の日曜日の朝へとさかのぼります。8時に目を覚ました僕でしたが、一階で父が居るのがわかり、布団から出られずにいました。
先生のことを父に疑われ、やはり顔を合わせづらいのです。会えば、なんと聞かれるでしょう。ケンカ口調で来るのでしょうか。
その時、僕はどうすればいいのか。『先生が好きなんです!』、そう言って彼女の元へ向かうか。いろいろとシミュレーションをしてしまうのです。
時間は9時30分になっていました。さすがに起きない訳にもいかず、僕は覚悟を決めて部屋を出て、リビングにいる父の元へと向かいました。
父はソファーにもたれ掛かり、テレビを観ていました。『おはよー。』と声を掛けると、『おっ。』といつもの父の返事です。
僕は自分で朝食を準備し、テーブルで食べ始めます。会話の無い父と息子。居心地が悪く、食事を終えた僕は自分の部屋へと戻ろうとしました。
ちょうどその時、父が立ち上がり、玄関に向かいます。靴を履いている父の背後を僕が通り過ぎようとした時でした。
『ちょっとお母さんに会うの、待てよな?』と僕にそう言ったのです。ケンカを想定していた僕は、父が怒ってないことに安心をし、『うん。』と答えます。
父は、仕事へ出掛けたのです。普段着ではありますが、休日にはよくある光景でしたので、僕はそう判断したのです。
しかし、うかつでした。昨日父が、僕と先生に言いはなった『明日じゃ!』の言葉を僕は忘れてしまっていました。
僅か5分後、父の車はあの大きな門の中に駐車をされたのです。
父が玄関のチャイムを押すと、中から先生が現れます。10時に会うと約束していた先生には、ちゃんと普段着で父を出迎えました。
話す内容が内容だけに、人目につく玄関先ではよくないと、先生は父をリビングに通します。ここであの父が、頭を深く下げたと言います。
父は頑固で、こんなことをする人でないことを先生も知っています。その父が、『土下座しようか?なにしたら許してくれる~?』と先生に迫ったのです。
涙もろい先生は、そんな弱さを見せる父を見て、目に涙をいっぱい溜めたと言います。
父を気づかい、床に座り込んでいた父の肩に、先生はその手を置きました。11歳年下の父も、先生から見れば『子供』なのです。
父はその気づかった細い手を握り締め、『ごめんのぉ、ごめんのぉ、』と泥臭く先生に謝り続けます。先生の目からは、ボロボロと涙が流れました。
しかし、それは父の作戦でもあったのです。先生を抱き締めた父は、ただじっと涙する彼女を抱き締め続けました。
焦らず騒がす、父はタイミングを待ちます。『この女は、これで絶対に自分を許してしまう。』と確信をもっての行動だったのです。
20分後、先生の頭の中には、もう僕の存在はありませんでした。父の女の身体を歓ばせるテクニックの前に、先生はベッドで堕ちていたのです。
10日ぶりの男の身体。それは、先生の女の歓びを増幅させてしまいます。先生は乱れ、身体は父のモノを求め続けていました。
その日、父が家に帰ってきたのは午後5時。父は丸一日掛けて、先生の身体を解し続けて、先生の気持ちまで解しきってしまいました。
次の日。僕が会社に出た後、ある人物がこの家を訪れます。滝本先生でした。カギを開き、10日以上ぶりの帰宅となります。
そして、室内の片付けを始めた頃、更にもう一人の人物が現れるのです。適当なことを言って、会社を休んだ父でした。父も、勝負どころは逃しません。
片付けをしていた先生の手を取り、そのまま寝室へと連れて行きます。そこで父が行ったこと。それは、女に有無を言わせぬ、激しいセックスだったのです。
父は強さを見せつけました。先生の唇が広く真っ赤に腫れ上がるほどの口づけ、全身に鳥肌がたってしまうほどの愛撫。
止められない愛液はシーツをびしょびょに濡らし、その穴には父のモノが何度も激しく叩きつけられました。昨日とは違う、激しいセックスを演じたのです。
『オス』、きっとそんな言葉が似合うほど、父はオスとなり、半日掛けて『メス』を服従させました。
『タケ君のごはん…。』、午後5時前に先生が言った言葉でした。僕のための夕食を、と先生は考えたのです。
しかし、それを父は許しませんでした。『そんなのせんでええ!お前は俺の女になってればいいんや!』と言い、また彼女の上に乗り上げました。
『タケ君…。』、先生の口から出た僕の名前が父の気に触ったのでしょう。『メス』を絶対服従させるための愛撫が始まったのでした。
午後6時半過ぎ。玄関で物音がしました。僕が帰って来たのです。父は『俺が出るわ。お前はゆっくりと降りてこい。』と先生に声を掛けました。
先生は優しく笑って、父を見送ります。もう、すぐには動けないほとに、先生の身体は父の手によって解されてしまっていたのです。
先生は立ち上がりました。びしょびょの股間をタオルで拭き、タンスから新しい下着を探しました。手に取ったのは、白の下着でした。
しかし、彼女はそれを履かず、あえて黒を選びます。白いパジャマでは、それが透けてしまうのが分かっているのにです。
それは、先生から僕へのメッセージでもありました。
『もう忘れて…。』と。
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