先生は優しい人でした。『父になんて謝ったらいいかなぁ~?』と言っていました。謝らないといけないのは、僕の父の方なのに…。
それでも、家庭を捨てて出てしまった自分を悔いているのです。こんな家でも、先生にはもう『自分の家庭』なのです。
先生の身体の温もりが伝わって来ています。時々、先生の背中が逃げようとしますが、僕が抱き締めて離しません。
背中に回していただけの手は、先生の身体を感じようとその背中全体を触り始めます。それに気がついた先生は『ありがと。もう大丈夫。』と言って来ます。
それでも離そうとしない僕に、異変を感じたと思います。僕の顔が、先生の肩から首に向かって埋まろうとした時、『離してくれる?』と言った先生の腕に押し返されます。
優しい言葉とは裏腹に、かなりの力で押し返されました。きっと恐怖を感じたのです。自分を強姦した男の子供ですから。
離れて尚、僕は『大丈夫?』と聞いてあげますが、それはまた抱きしめたいだけの魂胆なのでした。
再び自分の居場所に戻ります。『うちには戻らなくていいよ。』と先生に告げます。あの話を聞いた以上、父の元へは戻せません。
先生は『ありがとう。』と言ってくれます。ずっと自分一人で背負い込んでいたのでしょう。僕が理解をしてくれて、嬉しかったのです。
そして、僕は初めて先生に思いを告げます。こんな雰囲気にならなければ、絶対に言わなかったはずです。
それだけではなく、タンスの中の下着泥棒したこと、それを使って彼女のベッドで慰めたこと、全てをはなしました。
その間、先生はずっと『うん。』『はい。』の二言だけで会話をし、恥ずかしそうに全てを話す僕を、優しい顔で見てくれているのです。
さすがにベッドでの射精の話には苦い顔を見せましたが、終始笑顔でした。本当の母にでも、僕はここまで話を出来るでしょうか。
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