主婦の江口さんはいつも午前中から夕方頃までの早番シフトに入っている。仕事熱心で愛想も良く、お客様アンケートの評判も上々。そんな江口さんを目当てに来店する男性客も多いらしい。
ちなみに僕はというとフリーターの22歳。一応早番シフトのバイトリーダーを任されている。江口さんとは同じシフトになることが多く、いつも横目で彼女のことを見ていた。正直言うと僕は江口さんのような年上の女性がタイプ。しかも江口さんは人妻。どうしても下心を抱いてしまう。
その日、江口さんはいつもより遅くまでシフトに入っていた。たまたま厨房の奥まで入ってきた江口さんに僕は話しかけた。
『あれ? 江口さん、今日はいつもより長いんですね』
「うん、そうなの。店長にお願いして少し延ばしてもらったのよ」
『夕飯の支度とか旦那さんとか大丈夫なんですか?』
「今日は旦那が出張なの。だから少しでも多く稼ごうと思って 笑」
相変わらず一生懸命な江口さん。
『すみませーん』とお客の呼ぶ声がする。江口さんはニコリと笑って足早に接客へ戻っていった。
「お客様、申し訳ございません! お席がビショビショですね。今すぐお拭きしますので、お待ちくださいませ」
江口さんのその言葉に僕はまたドキッとする。
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