それは突然の出来事だった。
ある日の放課後、いつものようにリョウタが保健室に行くと、そこにリツコの姿はなく、代わりに眼鏡をかけた神経質そうな男が白衣を着て椅子に座っていた。
『あ、あの、、リツコ先生は、、?』
『ああ、前の先生のことかい? どうも辞めちゃったらしくてね。これからは私が担当することになったから、よろしく』
あの後すぐにリョウタは校長宛に匿名の手紙を書いていた。
いわば告発書だ。
リツコと教頭の狂った関係を終わらせてやりたい一心でしたことだった。
しかし教頭も馬鹿ではない。校長を言いくるめリツコだけを悪者に仕立て上げたのだろう。
結果、それはリツコの辞職という形に終わり、教頭は今も職員室の一番奥に居座っている。
リョウタは自分のしたことが正しかったのかしばらく悩んでいた。
それでも彼女が教頭との関係を断ち切り、どこかで幸せな生活を送っていることだけを願った。
放課後の保健室。
そう、そこは淫靡な欲望と美醜の香り漂う背徳の異世界だった。
終
※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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