志乃が時々ヤキモチを焼くようになった。
「竹山さんと飲んだんでしょ?」。
「飲みに行ったよ。」
「そっちの方が楽しいんじゃないの?若いし可愛いし。」
竹山とは確かに時々飲んでたし、俺の部屋でSEXもした事もある。社内で、志乃が近くに居る時に「飲みに行こうよ。」と誘って来る時もあった。竹山は独身で俺とも同い年だから、周りも特に咎めたりもしない。そんな事より自分が既婚者で、隠れて会わなきゃいけないという負い目が、そう言わせていた。
「だって私、あんな風に誘えないから。」
と言ってくる。
そんな時は黙って唇を重ね、挿入しながら
「じゃあ、これで最後にする?」
「志乃しか知らない俺の秘密、バラしちゃダメだからね。俺の精子はマズイとか、SEXが下手だとか。」
と言うと、
「イヤッ!・・ごめんなさい。」
「雅樹の美味しいもん。私、感じすぎてどうしたらいいか分かんなくなるんだよ。」
竹山が俺を誘ってるのを見ちゃった時に、このヤキモチは起こってたから、本気でないのも分かってたし、志乃の気持ちを覗けて嬉しかった。
そんな関係が1年以上続いた頃、ラブホでSEXを終え、ベッドで全裸のまま抱き合いながら横になっていると
「夫の転勤で引っ越す事になったの」
と告げてきた。隣の県だ。
「また会えるかなぁ?」と彼女。
「会えるよ。そんなに遠いわけじゃないし、なんとかなるんじゃない?」
「ホントに?。じゃあ落ち着いたら連絡するね。」
「落ち着かなくても連絡ちょうだい。」
「分かった」
志乃はそう言うと、俺に覆いかぶさりキスしてきた。上に跨ったまま片手で肉棒の勃起を確認すると自ら挿入してきた。当然まだゴムは着けていない。腰を振りながら上ずった声で
「また会える?」
とまた彼女が聞いてきた。
「会えるよ」
俺の声が聞こえているのか、彼女の喘ぎ声は激しくなってくる。
「まだ着けてないよ」
すると
「いいの」
と彼女。─最初言わなかったのに─と思いながら俺が上になると、
「離れたくない・・」
と言いながら、志乃は抱きついてきた。俺も強く抱きしめ
「離れないよ」
と言いながら、志乃の奥へと腰を振った
「中に・・欲しい・・」
志乃が望むままに中で放出した。俺もああは言ったものの、ホントに会えるか分からない不安から、この日だけは志乃を帰したくなかった。その後も時間を忘れたように求め合い、ラブホを出た時には、街は静まり新聞配達のバイクの姿が見えた。
あんなに遅くなって大丈夫だったかなぁ。ゴム着けなくてホントによかったのかなぁ。・・そんな事を考えていました。引越しが近づくつれ、志乃も家の事で忙しくなり、話すら出来なくなった。その日が来て、彼女は引っ越していきました。
頭では分かってはいてもイザ居なくなってしまうと、ホントにまた会えるのか不安になってきた。連絡が無いまま時間だけが過ぎていった。
・・もう会えないのかもな。もともとこんな関係になっちゃいけなかったんだ。仕方ない。それならちゃんとお別れしとけば良かった。・・自分を納得させるように、そう思うようになっていました。
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