岩川とのプレイは健二に想定以上の衝撃を与えていた。
それは日が経つにつれて後悔に変わっていた。一方で異常に興奮させられたことも
事実だった。先の二人と違い、若く逞しい男に妻を寝取られるということは、健二のような
性癖をもつ男にとっても屈辱的なのだった。それで健二は岩川とのプレイは一回限りに
しようと考えていた。何度か岩川から健二に再度のプレイを求めるメールが来ていたが、
健二はそれを無視した。博美からは
「岩川さん、彼女とうまくいってるのかな。」
程度の会話を一度した程度だった。
しばらくして博美が28歳になったとき健二は子供を産んでくれないかと相談した。
育児資金もある程度貯金できたし、博美も20代のうちに子供を産んだ方が楽だろうと
考えたからだ。それで寝取られ性癖は一度封印して避妊薬も中止して
妊活に励むことにしたのだった。博美の父親からも孫の顔が見たいという要望
があったから、博美もすぐにその気になった。排卵日をカレンダーに丸で記入しての妊活が
始まった。だが半年たっても博美が妊娠する気配はなかった。
健二はふと子供のころのことを思い出した。中学生の時だったが、
重いおたふくかぜに罹って陰嚢が腫れたことがあったのだ。母親が医師に
子種が無くなりはしないかと心配していたのを思い出したのだ。それで不安になり
博美には相談せずに自分で総合病院の不妊外来を受診して精液検査を受けた。
結果は正常より精子の数が少ないが性交回数を増やせば妊娠は可能という結果だった。
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