宴会の事件から半年が過ぎ、健二の気持ちも少しずつ安定してきた。
妻を寝取った男は憎かったが博美の心を傷つけてしまいそうで、
宴会の夜のことを博美に問うことはしなかった。
夜の営みも事件のあった後は新婚に戻ったように毎夜のように
博美のからだを求めた健二だったが、最近は以前の週一のペースに
戻ってしまっていた。だが博美の方は明らかに性にどん欲になっていた。
以前は慎みが強すぎて解放されなかったのか、あの夜以来積極的にセックス
の歓びを求めるようになっていた。あの男の為に博美の快楽の扉が
開かされたと思うのは悲しかったが、どん欲にペニスを求め、
嬌声をあげて逝き乱れる姿に健二は時々圧倒されていた。
あの夜以来男から送られてきたメールを健二は
見ていなかったが、もう一度動画も含めてじっくり見たいと思い、
博美が買い物に出かけている間にノートパソコンに移しておいた
動画を健二は見た。いずれも短い動画だった。一本目。
男の左手が博美の頭部をわしづかみにして口に咥えさせた肉棒を
ゆっくり出し入れさせている映像。博美は苦しげな表情で眼を閉じ、唾液を
垂らしている。
二本目。
バックから博美のヒップに肉棒をピストンしている様子を片手で撮影
した動画。グチョグチョと粘液混じりの音がいやらしい。
博美の悲鳴に近い嬌声の連続。その嬌声に混じって男の
「ううっ・・うむ・・・ううっ・・・」
という小さな呻き声が混じる。
画面が激しく揺れてピストンの動きが速まるところで映像が途切れる。
三本目。
博美を騎乗位にさせ、下から突き上げられた博美は乳房を揺らせ髪を振り乱して
のけぞっている。この時には本能がむき出しになり、官能におぼれた博美は
もはや自分の置かれた状況が分からなくなっているようにさえ見える。
四本目。
白い胸に大量に精液をまき散らされて眼を閉じて横たわる博美。
男が自分の肉棒を博美にお掃除フェラさせようとして映像が途切れる。
全部で3分にも満たない動画だが健二は異常な興奮に飲み込まれ、
健二の股間は硬く膨らんで、肉棒の先端から粘液が出ているのが自分でも分かった。
その夜が待ちきれず、夕食が終わるとすぐに健二は博美を居間のソファーに
押し倒したのだった。
翌朝、健二が先に目覚めた。二人とも裸で眠ってしまっていた。
健二は三度射精した。博美は何度逝ったのだろうか。
愛妻の俯けの寝姿を見ながら博美のヒップに目をやった。
カーテン越しに朝の柔らかな光が博美の丸いヒップを照らしていた。
そこにはマッチの頭ほどのホクロがひとつあった。
実はあの動画を見るまで博美のヒップのそこにホクロがあることを健二は知らなかった。
健二はヒップのホクロにそっと触ってみた。
自分はどれだけ博美のことを知っているのだろうかと健二は自分に問いかけてみた。
この白い肌の内側には自分の知らない博美がいるのかもしれないという気がしていた。
それを思うと健二は急に不安な気持ちになったのだった。
その不安はそれから日を待たずに的中することになったのだ。
健二はある日会議で帰りが遅くなると博美に伝えて家を出た。
どうしても期日中に作成しなければならない書類があって、
徹夜作業になりそうだったのだ。ところが急に上からの命令で計画が中止になり、
いつも通りに7時前には帰宅したのだった。博美は家にいなかった。
友達にでも会っているのかと思い家で待っていると9時を過ぎても帰ってこないので、
健二は博美に電話した。
「博美、どうしたの?」
「ごめん、健二さん今日遅くなるって聞いたから従妹の麻美ちゃんと会ってたの。
もう帰るとこだったから、今から帰るね。」
何となくいつもと違う感じの声だった。
ほどなくしてタクシーが家の前に止まる音がして博美が帰宅した。
「ただいま、ごめんね、夕食は食べた? すぐに何か用意するね。
あ、その前にちょっとシャワー浴びさせて、何か汗かいちゃった。」
博美は念入りに化粧して香水もきつめに付けていた。
女の成熟した色香がそこはかとなく漂っていた。
健二は博美の美しさを再発見したような気がしていた。
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