翌朝、タクヤと俺が階段を降りていくとダイニングテーブルにはヨシミと父親のトシヤが座っていた
「おはよう」
トシヤがタブレットでニュースを見てる手を止めてこちらを向く
「おはよう親父」
「おはようございます。」
「二人ともコーヒーとトーストでいい?」
ヨシミは台所で二人分のコーヒーカップを持ってこちらに聞いてくる
「あぁ、母さん」
「ありがとうございます」
そこには日常があった
いつもの朝、いつもの光景の中で4人は朝食をとっている
だがここは昨日、ヨシミが潮を拭きながらオナニーをしたリビングなのだ
そのヨシミが目の前にいて、その姿を見て興奮した息子であるタクヤがいる
そしてそれを仕向けた俺がいて、なにも知らない父親は優雅にコーヒーを啜っている
日常のすぐそばに非日常が寄り添っているその光景に俺は激しく興奮した
ヨシミを壊したい
じわりじわりと誰にも気付かないように
そして気付いたときには全てが崩壊するようにヨシミを壊したい
俺はそう思っていた
だが焦ってはいけない
日常が壊れては意味がないのだ
誰にも悟られず
それでいてヨシミを支配する
リビングに漂うコーヒーの匂いが鼻腔を漂うリビングで俺はそう誓った
トシヤは程なくして慌ただしく家を出た
今日から出張らしく大きなバックを持っていた
「タイチ君、ゆっくりしていきなさい」
「ありがとうございます。トシヤさんも気をつけて」
「ありがとう」
そう言うとトシヤはバタンと玄関のドアを閉めた
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