しばらくすると加奈子は身を捩り呼吸を荒くさせはじめた。顔にもじっとりと汗が滲み出ている。うつ伏せのままくすぐったそうに太ももを交差させ身悶えている。堪らず寝返りをうった加奈子は仰向けになり背中にかけられていたバスタオルもはだけてしまった。目を開けた彼女はようやく自分の体に起きている異変に気付た。
「なんなの、、これ、、体が熱い、、」
加奈子は神向寺の姿を見つけ、助けを求めるような視線を彼に向けた。
彼は落ち着いた口調で加奈子に言った。
『どうですか? お体の具合は』
「あの、、熱いんです、、すごく、、」
『加奈子さんは効きが良いみたいですね』
「効きって、、あなた、私の体に何を、、」
『媚薬ですよ』
「びやく?」
『一種の興奮剤のようなものです。マッサージの性感効果を高めるために少し塗らせて頂きました。安心してください、お体に害はありませんから』
「はぁ、はぁ、、どうしてそんな、、」
加奈子の呼吸が一段と荒くなり意識が朦朧としてきているのが見てとれる。神向寺と会話するも目の焦点が合わなくなってきていた。
『おやおや、ちょっと効き過ぎたかもしれませんね。加奈子さん、お望み通りに何もかも忘れさせて差し上げますよ』
「はぁ、はぁ、、もぅ、、、」
神向寺が加奈子の体に手を触れると、肌が敏感になっているのか悲鳴にも似た声をあげて身をよじった。
「ひゃあ、、あぁ、はぁ、はぁ、、」
『大丈夫ですよ、すぐに気持ちよくなりますから、、ほら、私に任せて、、』
神向寺は加奈子の背後に回り、座る彼女を背中から抱き抱えるように手を回した。はじめは硬直していた彼女も徐々に肩の力が抜け、彼にもたれかかるように体を預けた。
神向寺の腕に抱かれた加奈子は目を潤ませ蕩けるような表情を浮かべている。
媚薬がだいぶ効いてきたようだ。
つづく
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