薄いカーテンに窓からの光が差し込み、逆光で人影がくっきりと浮かび上がった。彼女のスレンダーな女体のシルエットが揺れるカーテン越しに確認できる。
和也は彼女のウェットスーツ姿を見たときから薄々気付いていたが、十分な胸の膨らみと腰から尻にかけての滑らかなラインがとても艶めかしく感じていた。
カーテンの奥の様子が気になる和也はついじっくりと凝視してしまっていた。そんな下心丸出しの姿を婆さん達に見つかり冷やかしを受ける。
「おや、兄ちゃんもミサキちゃんが気になるんかい?」
「ここらじゃ1番のべっぴんさんじゃからのぉ。ミサキちゃんのナイスバデーば見たらあんたアレもおっ勃っちまうべさ 笑」
「ほんなら婆さんがカーテン開けてきちゃろか? 笑」
下品な婆さん達の冷やかしによって、意図せず彼女の名前がミサキだということを知る。しかも婆さん曰く“ナイスバデー”らしい。冗談抜きに今すぐカーテンを開けて欲しいと、和也は本気で思った。
着替えを終えたミサキがカーテンを開けた。彼女は婆さん達の話を聞いていたのだろう、照れくさそうな顔をしながらカーテンから出てきた。地味な普段着の上に割烹着を羽織っている。ひとつに結った長い髪が印象的だった。
「もう、恥ずかしいからやめてくださいよぉ」
ミサキが苦笑いしながら婆さん達を諌めた。彼女が言い終わる前にすかさず婆さん達が言葉を被せてくる。
「ええじゃないの、あんただって旦那さんば亡くして寂しいだろうに、たまには若い男と色事ばしたらええんよ」
「んだんだ、この兄ちゃんば食っちまったってバチなんて当たんねーさ」
なかなか過激なことを言う婆さん達だった。和也はどういう顔をしたらいいのか分からず、苦笑いをしてその場をしのいだ。
一方、ミサキは婆さん達の言葉をいつものことと無視するように、割烹着の帯紐をキツく締め昼食の準備に取り掛かった。
つづく
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