海女小屋に入ると、中は意外にも整然としていた。漁具や漁網は綺麗に並べられ、奥に小さなキッチンも付いてスッキリと片付いている。こういったところに女性の細やかさが表れているようだった。
ふと横に目をやると、先ほど仕事を終えたばかりの海女達が普段着に着替えている。
が、和也は目を疑った。
彼が海女小屋に入って来たことに気付いているにもかかわらず、海女の婆さん達は緩んだ裸体を隠すそぶりすら見せない。それどころかガニ股になりタオルで股ぐらを豪快に拭く婆さんや裸のまま扇風機の前で仁王立ちになり体を乾かしている婆さんまでいる。
和也の視線に気付き裸の海女が言った。
「兄ちゃん、ババァの垂れ乳なんて見て面白いかい? あんたも好きだねぇ 笑」
「若い男に裸ば見られるのなんて何年ぶりかねぇ 笑」
「あんた、何年ぶりじゃなかろうに何十年ぶりじゃろ? 笑」
恥じらいのない笑い声が海女小屋に響く。和也は海女の婆さん達のワイルドさに圧倒されていた。
「ごめんなさい、ビックリさせちゃいましたよね。普段からあんな感じなので気になさらないで。あっ、そこの空いたテーブルに掛けてお待ちくださいね。着替えたらすぐに食事の用意をしますから」
そう言って美人海女もまた婆さん達と同じ着替え場所に向かった。まさか彼女も無防備に着替えてくれるのではと、和也は内心期待したが、さすがにそんなわけはなく、サッと目隠しのカーテンを閉められてしまった。
つづく
※元投稿はこちら >>