贅沢な酒の肴に、和也はつい飲み過ぎてしまったようで、真っ赤な顔で酔い潰れている。
そんな彼の肩にブランケットを掛けてやり、美咲はひとり食器の後片付けをはじめた。その姿はまるで、だらしのない旦那を何も言わずに愛おしく想う妻のようでもあった。
後片付けが済んだ美咲がテーブル突っ伏している和也に優しく声をかける。
「天野さん、、ねぇ和也さんてば、ここじゃ風邪をひいちゃうわ、2階に行きましょ、ね?」
『あぁ、うぅん、、美咲は優しぃなぁ、、』
和也は寝言のようなおぼつかない返事のなかで美咲を呼び捨てにした。
美咲はその華奢な体で和也を支えると、寄り添いながらゆっくりと階段を上がっていった。
部屋に入り、申し訳なさそうに和也を一度畳の上に座らせると、美咲はその隣に布団を敷き彼をそこへ仰向けに寝かせた。そして彼女もまた彼の隣に静かに添い寝をした。
(なんだか、あの人にそっくりね、、)
美咲の夫は、大シケの日に無理に漁に出た挙句に船が転覆してしまい、そのまま帰らぬ人となった。夫はなにかと不器用な男だった。美咲はいびきをかいて眠る和也に亡き夫を重ねていた。
美咲は和也の方を向いて寄り添うように寝返り、その手をそっと和也の胸に置いた。彼の鼓動が彼女の手にハッキリと伝わってくる。胸板、肩幅、腕回りを確かめながら、彼の体を愛でるように優しく摩った。
『んぅ~、、美咲ぃ、、』
ふと彼が寝言で美咲の名前を呼んだ。
どことなく亡き夫に似ている和也に惹かれつつあった彼女は、思わず彼を抱きしめた。
『うぐっ、、痛ぃ、、、』
「あっ、ご、ごめんなさい」
美咲はキツく抱きしめるあまり、まだ痛みの残る彼の腕を締め付けてしまったようだ。痛みで目が覚めたものの、酔いが覚めきっていない彼は仰向けで大の字になったままだった。
「私、、天野さんのこと、、、」
美咲は何かを告げようとしたが、途中でやめた。するとただ黙って彼の胸に乗せた手を下腹部へと這わせた。
和也は寝ぼけ眼でぼんやりとした意識のなか、その手の行方を感じとっていた。
ベルトの位置まで到達した美咲の手はそれを乗り越え、和也のシンボルが潜むなだらかな膨らみに乗り上げた。
思わず和也の口から声が漏れる。
『あぁ、、そこは、、』
美咲は構わずゆっくりとその膨らみを摩った。なだらかだった膨らみは彼女のしなやかな手指の摩擦によってやがて立派に帆を張ったヨットのように大きく膨れあがった。
『あぁっ、どうしてこんなこと、、』
「お礼です、、今日はたくさん手伝ってくれたから、、」
『お、お礼?、、』
戸惑う彼をよそに、美咲は彼のベルトを器用に外すと、片手で素早くボタンを外しチャックまでも下ろした。そのスムーズな手の動きは熟練者のようで、およそ未亡人とは思えぬ小慣れた手付きだった。
ピッタリとした薄布のボクサーパンツに彼の雄々しいシンボルの形がくっきりと浮き出て、それがときおり脈打っている。それは今にもパンツの上から顔を出しそうなほどに猛っていた。
和也は体を仰向けにしたまま、ただ美咲の手の動きに事を委ねていた。彼女が和也のパンツに両手を掛ける。彼はそれを察知し尻を軽く浮かせた。彼女が腿のあたりまでパンツを下げると、引っかかっていたシンボルがバネのように跳ね戻った。
彼の温和な顔立ちからは想像できない厳ついそれは、剛直しつつも適度なしなりを持ち、まさに質実剛健な竿のようだった。
つづく
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