それから2週間後、園の昼休みにひとりの担任教諭が私に小声で話しかけてきた。手には黒いビニール袋を抱えている。
「え、園長先生、ちょっとよろしいでしょうか?」
『はい? どうしました?』
「今日、お弁当の時間にチヒロちゃんのカバンを開けたら、こんなものが、、」
担任教諭は黒いビニール袋からそれを取り出し私に見せてきた。
『これはこれは、なんでこんなモノがチヒロちゃんのカバンから出てくるのでしょうねぇ、、先生はこれが何かご存知ですか?』
「えっ、、さ、さぁ、、、」
その若い担任教諭は顔を赤らめ、それが何であるか確実に知っているようだったが、知らないと嘘をついた。
『これは親御さんと少しお話をしなければなりませんねぇ。とてもプライベートな問題ですから、皆が帰った今日の放課後、私から話をします。先生はチヒロちゃんのお母さんに園に来るよう連絡してください。くれぐれも他の園児や先生方には知られないように』
「は、はい、、わかりました、、」
その日の夕方、園長室から園庭を眺めて待っていると誰もいなくなった園に女性がひとり駆け足でやってきた。
例のチヒロちゃんの母親だ。
彼女の普段着なのか、胸元の緩いラフな格好でやってきた。
私は彼女を職員玄関で出迎え、穏やかな表情で園長室へと招き入れた。
何も知らない次の獲物が仕置のステージに自ら足を踏み入れる。
私はこれから始まる展開を想像し口元をわずかに緩ませながら、彼女に向かってあの台詞を言った。
『お母さん、実はお子さんのカバンからこんな卑猥な《性玩具》が出てきましてね、、、』
終
最後まで長らくお付き合い頂きありがとうございました。
多くの方々に閲覧頂けたことに感謝いたします。
※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
※元投稿はこちら >>