『そろそろ昼飯でも食うか?』
「そうね、フードコートはどう?」
『ぼく、ハンバーグがいい~』
「ハンバーグ、あるといいわねぇ」
フードコートは既に多くの客で賑わっている。大人用のテーブルは満席で、子供でも座れる低めのファミリー用のテーブルがひとつだけ空いていた。
なんとか滑り込むようにその席を確保した。
『ちょっと椅子が低いけど、しょうがねーな』
「そうね、座れるだけいいわよ。それにこの子も喜んでるし」
それぞれに好きなメニューを注文し、テーブルに着いた。久しぶりの外食、家族は楽しい時間を過ごしていた。
「お水、新しいの取って来るわね」
空になった紙コップを両手に持って立ち上がろうとしたそのとき、彼女はハッとした。
駐車場で夫に注意されたにもかかわらず、またもや彼女は脚を広げてしまっていたのだ。
サッと脚を閉じ周りを見回すと、まわりの父親達の視線が彼女のほうへ向いていることに気付いた。
彼女は何事もなかったかのように平静を装い、その父親達の脇をコップを抱えすり抜けていく。
彼女の艶めかしい後姿を舐めるように、父親達は皆熱い視線を向けていた。
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