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その日の夕方、一週間振りに家内が実家から戻って来た。
夕飯の準備に手を動かしながらも、とにかく私の話を聞いて!と、実家で起こったことを止めどなく話し続ける家内に、浮田は一々相槌を打つので忙しかった。
そんな時、
(ピンポーン)
と家のインターホンが鳴る。
その後、「冴木です。」と言う声が伝わってくる。
あら?冴木さんの奥さん。何かしら?
でも、あたし今手が離せないから、あなた、ちょっと出てくれます?
と言われ、浮田が玄関の扉を開けると、
眞由美が玄関前に立ち、浮田の顔をみてニッコリとして会釈する。
あの、これ田舎から貰った野菜なんですけど、よかったら、と思って。
奥様はいらっしゃる?
と、浮田に訊く。
今、キッチンなんで。すぐ呼んで、、
と答えるが早いか、
眞由美は、小声で浮田に言う。
正樹さん、これ。
と言って、浮田にメモ書きを渡す。
それには眞由美のメアドが書かれてあった。
そして、浮田の顔を見上げて、また魅惑的な上目遣いで、いたずらっ気たっぷりにウインクをして浮田に囁く。
今度は一緒にイキましょうね。
(完)
この小説はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
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