そして、10年の時が流れた。
私は優香とのことがあってから、どうしても女房と優香を比べてしまい、関係が冷めて行き、また他に求めることを繰り返していたが全て優香のような関係にはならない。
当たり前であるが、それほど優香は特別な存在であった。
ふと気づけば『優香…』と心で呟いていた。
そんな男だから女房にも愛想尽かされ、離婚間近。
女房と離婚に向けた話し合いをしているそんな時、見覚えのある番号からの着信。
『えっ?優香?なんで?』
優香とはわかっていたが、電話には出なかった。
『まぁ、間違えて掛けたな。』
そんな程度しか気に留めていなかった。
数日が経ち、また優香からの着信が。
何故か出れない私。
留守電にメッセージが。
『お久しぶりです。突然ごめんなさい。電話してくれませんか?待ってます。』
忘れることができなかった最愛の女性からの思いもよらないメッセージ。
けど、直ぐに掛け直すことが何故か出来ず、数日後に思い切って電話をしてみた。
『もしもし。』なんだか素っ気ない対応。
『あ、もしもし…平山ですが。』
『もう!なんで早く電話してくれなかったの!』
あの時もそうだった。一気に蘇る記憶。
『ごめん、なんだか掛けにくくてさ。』
あれからの2人のこと。
久しぶりの長電話を楽しんだ。
そして優香から『ねぇ、会ってくれないかな?』
『いいの?俺はバツになって身軽だけど、優香は家庭があるじゃん。』
『ずっと逢いたくて、逢いたくて、てつが最後に掛けてくれた携帯番号は消しちゃって、何年か前に実家のお母さんに同級生と名乗って番号を教えてもらったんだけど、昔の番号だったみたいで繋がらないし…優香の昔の携帯からやっと見つけて掛けたの。』
『そうなのか。でも不思議だよな。今は昔と逆。笑 でも、俺は都合のいい男にはならないよ。 笑』
『いいの!兎に角逢いたいの!いいでしょ?』
今直ぐにでも会いたいのに『仕方ないなぁ。会ってやるか。 笑』
『ホント?嬉しい!楽しみにしてるから!』優香の声が涙声になった。
そして、10年の時を経て2人は再会を果たした。
※元投稿はこちら >>