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ストーリーはこれから中盤に差し掛かっていきます。
どうぞ気長にお付き合いくださいませ。
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大浴場はとても広く、ふんだんに溢れる温泉の湯気で真っ白に曇っています。
わたしは身体を洗おうと椅子に腰掛け、手桶に溜めた湯をゆっくりと肩からかけ流しました。
石鹸を纏った両手を丁寧に滑らせながら身体を洗っていきます。
手に付いた泡を濃いめの陰毛で泡立て、汚してしまった股の間を優しく念入りに洗います。
洗いながらわたしはため息をつきました。
「はぁ...楽しみにしてたのに...」
身体を洗い終えたわたしは、掛け湯をし内湯の湯船に肩まで浸かります。
ほどよく熱い白濁の温泉が、普段の疲れを癒してくれます。
ふと、視線の先に扉が見えました。
湯気のせいではじめはまったく気がつきませんでしたが、扉には「露天入口」と書かれています。
外の露天風呂につながる扉のようです。
せっかく温泉に来たんだから、露天風呂も入ってみようと思い、わたしは内湯から露天風呂へと湯の滴る身体でひたひたと移動しました。
露天風呂は大浴場よりもさらに広く、まるでどこかのお屋敷の庭園のようです。
大きなお風呂がひとつと小さめのお風呂がふたつ、寝湯と東屋も見えます。
「ネットで見たとおり素敵だわ..こんなに素敵な旅館なのに、なんでお客さんが少ないのかしら..」
わたしは一番奥にある大きなお風呂に向かうと、つま先からゆっくりと身体を沈めます。露天のせいか、内湯よりも少しぬるく感じられました。
お風呂の真ん中には大きめの岩があり、わたしはそこに背をもたれて上を見上げました。
「星が綺麗ね..都会じゃ全然見えないのに、こんなにキラキラしてるのね..寝てる2人にも見せてあげたかったなぁ..」
わたしは、ひとり贅沢な時間を過ごしていることに申し訳なさを感じながらも、綺麗な星空に身も心も癒される気持ちでした。
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