旅館に戻ると、大きな部屋には既に布団が3人分綺麗に敷いてありました。
隣のもう一つの部屋は襖が閉められています。
そっと開けてみると、そこには布団が1枚だけ敷いてありました。
間接照明がつけられ、枕元にはボックスティッシュとコンドームが3枚置かれています。
はっと思い、わたしは急いで襖を閉めます。
幸い息子と主人は気付いてないようです。
「ラブホテルじゃないんだから、ここまで用意してくれなくったって..」
そう思いながら、ティッシュとコンドームを見えないところに隠し、照明を消しました。
「まったくもう..」と思いつつも、内心気持ちが昂ぶっている自分がいます。
夕食は温泉旅館らしく、宴会場での懐石料理。
豪華なお子様懐石に息子も大喜びです。
普段はあまりお酒を飲まない主人も、今日ばかりは特別のようで、上機嫌でお酒が進みます。
料理を食べ終える頃、主人はすっかり酔いがまわり息子に自分が子どもの頃の武勇伝を聞かせています。
その間、主人の左手はずっとわたしのお尻を浴衣の上からまさぐっていました。
わたしは何も言わずその左手を好きなようにさせ、ときどき、浴衣の隙間から侵入しようとするその左手を軽くあしらいます。
たったそれだけの悪戯に、わたしのショーツのなかはじっとり湿っているのがはっきりと感じられました。
宴会場を出るとき、わたしはふとおかしなことに気付いたのです。
大型連休だというのに宿泊客は少なく、わたし達家族の他には、老夫婦が2組と会社の社員旅行なのか10名ほどの男性の団体客だけでした。
「ねぇあなた?こんなにサービスがいいところなのにどうしてかしらね?」
主人に言っても酔っていてまともに聞いていません。
どこか気にかかりながらも部屋へと戻りました。
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