日曜日の夕方4時くらいでした。こんなに早い時間帯にあゆみさんに会うのは初めてのこと。向かったのは、いつものボウリング場です。
廃れたボウリング場でも、ちゃんとショップはあります。在庫の品数は少ないですが、カタログは結構な数があります。
ショップに入ると中年の男性が現れ、先にシューズのカタログを渡されます。思っていたよりも安く、どれでも買えそうです。
性能なんて僕には分からないので、最後は見た目になります。あゆみさんに見せながら、『これ、どう?』なんて聞いてしまいました。
『これにします。』と彼女に告げ、カタログを店員さんに見せます。『お取り寄せになりますが。』と言われ、もちろんオッケーです。
しかしそこで、『あの~、彼女の分も。』と言ってしまうのでした。『私やいいよー。いらないいらない!』とあゆみさんは慌てて断ります。
しかし、『サイズいくら?』『お揃いの買うんだから~。』とあゆみさんに詰め寄り、『自分のは私買うから。』と言われました。
もちろん、彼女に払わせるはずがありません。『あゆみさんとペアにしたいだけだから。』と言って押しきりました。
次はいよいよボールとなります。誰もいないレーンが開けられ、一球投げさされました。たった数球で何が分かるのか知りませんが、オッケーのようです。
その場でボールに穴が開けられていき、僕だけのマイボールが完成をします。時間はいつもの時間になっていて、そのままマイボールデビューとなりました。
『さとる君には、なんか勝てんわぁ~。』とシューズを頼んでしまった僕に、あゆみは少し呆れています。
『あゆみさんとお揃いの靴が来るよ~!いいやろ~?』とふざける僕とは、少し温度差があるようです。
『変な目で見られるよ。』と他人を気にするような発言をした彼女に、『あゆみさんが好きやからお揃いにしたいだけ~。それだけ~。』と軽く言ってました。
それを聞いて、少し恥ずかしかったのか『アホ~!』と一言いい、普段通りに投げ始めたあゆみさんでした。
2日後、ショップに行くとカウンターにシューズの入った箱が2つ置かれていました。そんなに繁盛をしている店でもなく、僕達のものだと確信します。
『あゆみさん?あれ、そうじゃない?』と言い、お店に入るとやはり僕の選んだ柄のシューズが二足置いてあります。
片方を彼女に手渡し、二人で卸すことを決めます。この日選んだレーンは、端の30番レーンでした。さすがにお揃いは少し恥ずかしいです。
ボックスに二人並んで座り、新しいシューズを履き始めました。卸し立てなので、少し硬くて違和感もあります。
それでも、『お揃いやなぁ~。』と改めて言うと、『なんか恥ずかしいねぇ~。』と靴を買ったことより、ペアで履くことに彼女は戸惑いがあるようです。
その時、『お揃い~。』と言って、隣に座る彼女の腰に手が廻りました。細身の身体の彼女に、更に細いくびれがそこにはありました。
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