ボウリングをする人にとって、200点というのは1つの目標です。会社のボウリング大会で46点、59点と低スコアーを叩き出してしまって、始めた僕です。
『232点』というのは、ある意味目的達成でもありました。その後も続けますが、相変わらずの150点前後しか出ず、気持ち的にも停滞をしてしまいました。
もう、どこか惰性でやってやっているだけ。『僕がいなくなるとあゆみさんが寂しがるかも。』と、ただそれだけでした。
気がつけば、ボウリングの上達など半分どうでもよくなり、目の前でボールを投げるあゆみの姿ばかり見るようになっていたのです。
薄着のシャツに現れるブラの跡。投げるときに突き出すお尻とその食い込み。袖の隙間から見ようと、彼女の胸元にまで目が向かうのです。
それはもう、ボウリングとかではなく、スポーツをしている熟女をイヤらしい目で眺めて楽しんでいるだけの行為でした。
『さとる君、なんか食べて帰ろうか?』、支払いを終えたあゆみさんに誘われました。『200点のご褒美してなかったでしょ?』と言われ、連れ出されます。
向かったのは、隣にあるファミレスでした。彼女は軽食を、僕はボリュームのある定食を注文します。ここで初めて、彼女とボウリング以外の話をするのです。
とにかく聞いたのは、お互いのことでした。2ヶ月以上も一緒にボウリングをしてたのに、その素性はまるで知らなかったのです。
特に彼女のことについては、かなり聞いてしまいました。『56歳』『旦那と娘一人』『~~町在住』といろいろと答えてもらいます。
あまりにしつこく聞いてしまったためか、『さとる君、(私のこと)もしかして狙ってるの~?』と冷やかされてしまいます。
あゆみさんの一人ボウリングのきっかけも、僕と似たようなものでした。仲間同士で行った時、あまりいい点が出なかったそうです。
ただ僕と違うのは、それでボウリングに興味を持ったこと。『恥ずかしい。』と『見返したい。』とかではなく、純粋に面白いと思ったそうです。
別れ際、『これからもお友達でいてくれる?』と言っていただき、『当たり前やないですかぁ~。』と言うと、笑顔で返してくれたのでした。
次の日、会社終わりの18時過ぎにLINEが鳴りました。『今日は何点取るの?』と書いてあり、あゆみさんが来ているという合図です。
『110点くらい。』とその頃には余程でない限りは出さないような低得点を書き込むと、『私にフラれるわよ。(笑)』といい返しをされました。
しばらくして、『さとる君、マイボール作ったら?シューズも自分の揃えたら、点は上がるよ?』と彼女に言われます。
それまで、ボウリング場の備え付けの物しか使ってなかったのです。あゆみさんには悪いのですが、僕の目標はもう達成しています。
この先、お金を掛けてやりたいとも、もう思っていないのです。しかし、『あゆみさん、買い物付き合ってくれる?なら行く。』と条件を出します。
それには、『私が言い出しっぺやもんねぇ。』と考えてくれて、『着いて行こうか?』と言ってくれたのでした。
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