あゆみさんに『逝った~。』と言われ、少し驚きました。彼女が本気で感じようと体勢を作ってから、ほんよ僅かなことだったからです。
僕の指も唖然としているのか、彼女の中に入ったままに動きを止まりました。彼女も『うふふ…。』とばかりにテンションが上り、少しご機嫌になり始めます。
再び始まったキスをしていても、『うふふ…。』と言って笑みも溢れているようです。
『スケベ!こんなおばさん、逝かせて~。』と言ったと思うと、キスをしていた彼女の口から舌が出て来ます。
『ほらぁ~、もっとおばさんのこと、喜ばせてあげんと~。』と他人ごとのように言いながら、彼女の舌は僕の舌に絡め始めるのです。
積極的になり始めてくれたあゆみさんでしたが、逆に僕が少し警戒を始めてしまいます。『熟女』と生き物を、よく理解をしかねていたからです。
ちょうど30歳の年の差の女性。もちろん、そんな年上の方とのお付き合いの経験もありませんし、既婚者自体も初めてな僕です。
エッチ心と、控えめに嫌がる彼女へのいたずら心に火がついて、これまではあゆみさんにちょっかいを出して来ました。
それが逆になった時、僕の中に『不安。』という文字が現れてしまいます。彼女が今まで嫌がってくれたから、年の差なんて気にならずに出来て来れました。
積極的になった彼女では、やはり僕よりも30年も早く生まれている人生の経験者の方に見えてしまいます。
結婚もし、娘もいて、孫までいるような年齢の女性。人生の経験もセックスの経験も、きっと僕よりも何倍もある方。
そんなあゆみさんに、『何をしてくるのか分からない怖さ。』を感じてしまい、自然と警戒をして受け身になってしまうのでした。
相変わらずの、ご機嫌なディープキスが続いていました。受け身の僕も、なんとか彼女と舌を絡ませながら、次に起こることに身構えています。
それでも、『ホテル行くぅー?』と誘ったのは僕でした。しかし、『行かんよー。』とあっさりと返されます。
『ホテルはダ~メ。』と僕を子供扱いしたように言うのです。『なんでよー?ここまでしたやん。』と返しますが、『セックスはダ~メ。』と断られました。
『セックスは別~。お父ちゃん(旦那)に言い訳が出来んようになるやろ~。』と、それが理由でした。
なにげにショックでした。フラれたような感覚まで覚えます。もちろん、諦めもつきません。
しかし、これが年齢の差なのでしょうか。『そりゃ~、そうだわな。』と納得してしまう自分もいるのです。
既婚者、子持ち、30歳の年の差、どう考えてもこの先うまくいくはずもありません。
その現実に、納得するどころか、『断ってくれてありがとう。』とさえ思ってしまう自分もいたのでした。
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