節操のない者達 Ⅰ ④
打刻をして いつもの様に守衛さんの所の喫煙所にいた。
俺に気付いた守衛さんが「おはようございます」と、顔を覗かせて「課長さんですって?、おめでとうございます」
俺
「めでたいかどぉかは分からないですけど…。」
「まだ暫くは此処で お世話になりそぅです。あっち(事務所横の喫煙所)だと何だか落ち着かなくて、スミマセン。」
守衛さん
「どぅぞ、いつでも。じゃ。」
と、戻っていった。
「おはようございます」と事務所に戻ると 悦ちゃん達が 俺の机の所で何やら盛り上がっている。
悦子
「聞いたわよぉ、俊くん、昨日 茜ちゃんに邪魔されちゃったんですって。」
沙織
「ねぇぇ、もぉチョッとだったんですよねぇ(笑)」
俺
「でも あれ、悦ちゃんの差し金でしょ?」
「怪しい事してないか見てこい って。」
悦子
「私 そんな事言ってないわよ?」
茜さん
「私ただ、USBとか必要だろぅなぁ、って。」
「ちょっと盛ったつもりだったんですけど、ホントに[そぅ]だったんですか?」
沙織
「おかげで ゆうべは眠れませんでした!(笑)」
茜さん
「もぉお!、ホントに 何処までが冗談なんだか、???さっぱりですッ(笑)」
そんな話をしていると[ラジオ体操]の音楽が鳴りだした、これも親会社に習っての事だが、事務所ではラジオ体操はせずに朝礼となる。
朝礼が終わるとすぐに新人を連れて もと居たラインに向かった。
皆に新入社員をしょうかいして、長老と俺の後を引き継いだ中堅社員に預けた。
が、新ラインリーダーも まだ不慣れな事もあるらしく、結局 午前中いっぱいかけて ざっくりとした流れと当面やってもらう仕事等の教育に終わった。
昼食は悦ちゃん達と食堂にいった。
移動に伴って『皆が同じ物を食べましょう』も、新事業所の方針らしく、妻が弁当を持って行かなくなったので 俺も食堂にする事にした。
食堂で昼飯なんて何年ぶりだろう?。
以前は窓に面した1人用の長いテーブルで たそがれながら食べていたが、昨日 今日と 茜さんも交えて4人で食べている。
時折 悦ちゃんや沙織が、なに食わぬ顔で会話をしながら スネをスリスリしたり 膝に手を乗せたりしてくる。
沙織
「俊さん、午後は?。また現場ですけ?」
俺
「…たぶん。」
「下請けさん達のラインも覚えておかないと。」
悦子
「そぉよねぇ。あそこも工藤課長の管轄ですもんね?(笑)」
俺
「…その言い方(苦笑)」
悦子
「だって そぅでしょ(笑)?」
俺
「まぁね。」
悦子
「でも どぅなんだろ?、Bラインの社長夫婦。」
「『課長』ったって前任者が居たわけでもないし、いきなり『工藤課長』にみてもらう事になりました。って事でしょ?、大丈夫?、俊くん。」
茜さん
「聞いた話ですけど、あのご夫婦がいた派閥の誰かがミスって 派閥ごと出世争いに負けちゃって…、で 辞めて立ち上げた会社だとかって…。」
悦子
「そぅそぅ。派閥のNo2だった人がね。」
「で、この時と はがりにトップが吊るされちゃって。って話しよね?」
沙織
「えっ?、流石の悦子さんも よく知らないんですか?」
悦子
「てか、この4人は その頃は まだ誰も この会社すら入ってない頃の話みたいよ。」
「そんなふぅな事 朱美ちゃんがね…。」
「何だか[晴男さん]も一枚噛んでる とかって。」
俺
「…らしいっすね。」
「俺には サッパリ???っすけど。」
「まぁ、どぉにかなんでしょ。」
悦子
「私 どっち(BラインとCライン)にも届け物があるから 一緒に行ったげよぅか?」
沙織
「またぁ、そんな事言って『ぬけがけ』はダメですよ!、悦子さん!」
悦子
「ぬけがけ はアンタでしょ!?」
「昨日 茜ちゃんが行かなかったら 何する気だったのよ!?」
茜さん
「えぇぇっ、ホントに そぅなんですか?」
「もぉ、ホント 全然(本当か冗談か)着いてけません、私には。(困)」
「『本当なのか冗談なのか』それが分かる様になりにはね、ねぇ沙織ちゃん?」
と、沙織に目配せした悦ちゃんが妖しく笑っていた。
午後①、出掛けにも沙織に釘を刺されながら、悦ちゃんと2人 下請けさんのラインに向かった。
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