浴衣を整えて一度部屋を出た。
最上階に位置する部屋はエレベーターを使って1階まで降りなければならなかった。
エレベーターの扉が開いて私たちはゆっくりとエレベーターに乗り込んだ。
エレベーター内で表示されている階の数字がゆっくりと小さいものへと変わっていった。
5階を過ぎて4階に差しかかろうとした時、大きな音と共に大きな揺れを感じた。
「ガタガタガタ、、ゴゴゴッ、、ガコン、、ヒューーー」
揺れがおさまったと同時に電気が切れる音がした。
「華子さん、大丈夫ですか?大きな地震でしたね。お怪我はないですか?」
私は身体のことよりも真っ暗になったエレベーターが怖かった。
手探りで彼の身体に手を伸ばしていった。
闇雲に彼に抱きつき、彼の温もりを感じた。
それだけで安心感が芽生え、この地震に対する不安も少々和らいだ。
「非常ボタンを押して外部に連絡しましょう。」
彼はポケットからスマホを取り出し、LEDを点灯した。
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