翌朝、いつもと違った感覚で目が覚めた。
自分の逸物がはち切れんばかりの朝勃ちをしていた。
いつもの生理現象と思っていたが、それ以上に何やら一皮剥けたような大人の逸物のようになったと感じられた。
意気揚々と仕事に向かったのは入社日以来だった。
自分が希望して入社した会社だったが給料がクソみたいな会社だった。
その分仕事は定時で上がることができたおかげで、麗華さんの存在を知ることが出来た。
今日は朝から仕事が捗った。
契約もすんなり取れて上司には褒められてといいことづくめだった。
仕事が終わり会社を出ようとした時に普段なら絶対に声をかけてもらえない新入社員の若い事務員 竹山翔子から「お疲れ様でした」と笑顔で言われたことにはびっくりした。
僕は一日を清々しい気持ちで過ごし、いつもの麗華さんが務めるコンビニへと急いだ。
だが、そこにはいつもいるはずの麗華さんの姿はなかった。
僕はコンビニ内をくまなく探したが、麗華さんらしき人物はどこにも見当たらなかった。
コンビニを飛び出し、昨日麗華さんと楽しんだあの雑貨屋さんへと急いだ。
店に着くや否や扉を開けて店内に入った。
そこは昨日と全く同じくアンティーク雑貨やカントリー雑貨が所狭しと並べられていた。
ただ、唯一異なっていたのが壁に掛けられていたバンクシーのポスターがそこにはなかった。
辺りを見渡すとレジに麗華さんと同じぐらいの年齢の女性が立っていた。
僕は急いでその女性に声をかけ、「山本麗華さんはいてますか?」と尋ねた。
女性は怪訝そうに「誰ですか?お店を間違えてませんか?」と僕に言った。
顔面から血の気が引くのがわかった。
僕は全身力が抜けた抜け殻状態になりつつ店外に出てコンビニに停めた自分の車に乗り込んだ。
そうだ。彼女の家に行ってみよう。
僕は急いで車のエンジンをかけて車を走らせた。
いつもの走り慣れた道だったが道中の記憶は一切なかった。
僕のアパートの裏に構える一戸建ての前に車を停めて車から降りた。
僕は表札を見て愕然とした。
そこには「山本」ではなく「山田」と書かれていた。
※元投稿はこちら >>