episode 2
つづき-----------------------------------
2人を駐車場へ残したまま、ようやくコンビニまでたどり着いた私は、暫く方向音痴な友人を待っていた…。
店内で、熱い挽きたてのホットコーヒーを買い、店外の吸い殻入れのある場所へ…タバコに火をつけた…ようやく一安心、ほっと一息入れ、後ろの店内を振り返ると、ガラス越しに陳列された雑誌には成人雑誌も表紙を見せて並んでいた…。
私
『ふぅ~…人妻◯◯報告?…週間◯◯…んで?…大衆◯◯に…ヤング◯◯…暗闇のカップル◯◯…淫乱◯◯校正』
私は、ある1冊の雑誌に目が釘付けになる…なんともいえない気持ちだ…薄緑の赤外線?盗撮された画像が表紙の右下に記載されている…薄緑の画像は運転席に横になる男の上に、尻を丸出して女が跨がっている画像だった…。
(あぁ…今、妻と恵(ケイ)君は2人きり…お互い酔っているし…まさかね…)
妄想が頭をよぎる…恵(ケイ)君は酔ってる妻に対し、平常心で居られるのかなぁ?…まさか妻の方から妻み食い…馬鹿な妄想が頭の中を過(よぎ)る…。
妻は表向き、若い男が大好き…だが実際に、若い男のいきり立つ男性器は味わった事が無いだろう…20代後半からは、私しか知らないはずだ…私と出会う前も年上の男性と婚約まで交わし、理由は知らないが数年間は付き合い、破談したはずだ…経験した男の数は数人、親戚のお兄さんと、一夜限りのマッチョマン…。
子を産み、緩んではいるが、そのトロトロな花園は、若い男根を根元まで優しく包み込み、緩いがうえに、若い男根は、激しく妻を突き上げ…新たな種を蒔(ま)くに違いない…。
あーでもない、こーでもない…と、妄想に浸っていると、真正面からヘッドライトを上向きにした車が勢いよく私の目の前ギリギリに突っ込み停車した…(きたかっ!) エロい妄想は一気に吹き飛び現実に戻される…。
私
『よう!…マジゴメン、本当…申し訳無い…新品タイヤ1本パーやぜ…』
友人
『ざまぁ~…ノコノコと迎えに行くけんやろ(笑)ちょっコーヒーな!』
友人
『忖度やぞ!…』
私
『……ハイ……御意!…』
缶コーヒーを友人に渡し、細かな経緯を友人に伝えた…(それは仕方ない)と友人も事情に共感してくれて、現場の駐車場まで送って貰えるように頼み込む…快諾してくれた友人から思い出したくない現実に、引き戻されるような一言が……。
友人
『あれ…?ところで騒がしい天然な嫁さんはどうした?』
私
『…あっ…あぁ……酔ってっから、車の中で待たせてるわ…同僚の若い奴が護衛してるよ…問題ない』
友人『それって…ヤバない?…俺なら無理やぞ!…変な事にはならんやろうが、きっかけ程度はつくれるぞ!』
動揺した…(あり得ない)と豪語したが、心の中では巨大な地震並に揺れた…
心のJアラートが鳴り続け、私と友人は急いで山道を戻り、ほんの数分間で高速道路の隣接道路まで戻っている、もう少し先だったはず…。
私
『すまん…1度ゆっくりと通り過ぎてくれないか?…少し不安やんけ…』
友人
『いいよ…』
現場に戻り、駐車場に停めてある車のフロント部分が見えてきた…低速で近づき、車全体の様子を覗う…通過する直後に社内を覗き込むも、路肩の街路樹が邪魔で、後部座席は確認出来ない…だが、消していたはずの前照灯が点けられ、ナビ画面から、テレビ画面に変更されている…前部座席だけが明るくチカチカと光りが揺らいでいたからだ…。
(テレビでも見ているのだろう)と、多少安心した私に、追い打ちを掛けるように友人がつぶやく…。
友人
『どうや?見えたか?…近寄らないと判らんやろ?…じゃあ一旦通り過ぎるけな…よかや?…』
私
『おぅ!…でも、出てきた時と状況が変わってるのは確かやね…Uターンして1度手前で停めてくれないか?…』
友人
『いいよ…じゃあこの辺りで…』
私
『すまん…じゃあ宜しく頼むわ!』
友人
『えっ!…俺かよ!…』
(情け無い…ダメだ俺…)友人は薄ら笑いしながら車を降りて行き、私も車外に降りて、タイヤを降ろし、友人の行動を見守った…途中、身を屈めたり、此方を見ながら私にジェスチャーを送ってくる…いよいよ車の横にある路肩の街路樹へと近寄った…そぉーと伏せた体勢から立ち上がり、街路樹越しに覗き込んだ…。
友人
『……!!……!!……』
-------------------------------------------------つづく
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