健二は毎夜、仕事から赴任地のワンルームのアパートに帰ると、
パソコンを立ち上げて、自宅の寝室に設置したウエブカメラを
チェックすることが日課になった。
健二が帰らない週の金曜日は、必ずと言っていいほど上杉部長が
映っていた。
部長と健二のセックスは、まったくの別物といった感じであった。
時間をかけてねっとり楽しむのが上杉部長だった。
たとえて言うなら、フルコースのディナーをゆったりと楽しむような性である。
前菜から始まって見た目を楽しみ、匂いを楽しみ、手で触れ、舌で味わい、
最後は肉汁の一滴も残さず飲み干して満足するのだ。
そしてその食事に官能が込めたエネルギーのすべてを吸収し、
自分の明日からの生きるエネルギーに変えてしまうのだ。
里奈の乳首を味わうときも、上杉は口の中でちょうど良い化学反応が唾液との間で
おこるように舌の動きと力を調整して、味を良くするのであった。
それに比べると30歳の健二のそれは、かつ丼をかき込むような性であった。
そのかわり、健二は何回か「おかわり」をすることができたのである。
上杉部長は色々なメニューを時間をかけて楽しみながら、里奈にも
その楽しみ方、楽しませ方を教えるのだった。その一つはフェラの仕方である。
ソフトさからハードさへ、ある部分から全体へ、視覚的にもセクシーに見える
仕草を里奈に教えていたのである。まるで授業中の子供のように、里奈は
それを学んでいた。そしてその成果を健二にも実践していたのだった。
上杉部長はゴムは付けないときは、必ず里奈の腹部か胸に射精して果てた。
そのうち安全日だと里奈がいうときは、上杉部長は生で里奈の中で果てるように
なった。一度はバックから里奈の名を呼びながら、彼女の大きなヒップを両手で
掴んで激しく腰を振り、最後は小刻みに腰を震わせながら男の精を里奈の
中に放出して果てたのだった。里奈のほうも、このときはよほど気持ちが
良かったのか、息を荒げ、汗ばんだ背中をピクンピクンと電気にでも痺れる
ように動かして喜びをあらわにしたのだった。その光景は最も健二を嫉妬させ、
最も興奮させた。従ってその動画ファイルは健二にお宝映像と命名された。
ことが終わると決まって里奈は、健二のことをお願いします、と上杉部長に頼んだ。
上杉部長もお決まりのように、約束する、必ず健二君を本社に帰すよ、と応えていた。
それはまるで、こう言うことで健二を裏切っていることも幾らか許されると二人が
思い込んでいるようだった。
健二は単身赴任地のワンルームのアパートで、モニター画面に繰り広がられる
50男と若妻の淫らな性行為を見ては、狂ったように興奮し、嫉妬し、高まって
は射精して果てる行為を繰り返していた。そして2週に一回帰宅すると、その
映像を思い浮かべながら、何度も里奈に中だしして鬱積した思いを吐きだすのだった。
里奈は不倫を健二に知られているとも思わず、ましてや上杉部長との行為を見られている
とも知らず、唯々健二の激しさは単身赴任で離されたためなのかとばかり考えて、
驚いていたのだった。
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