典子は、車の中では終始うつ向いていました。寝たきりの旦那さん、留守番をさせている息子、いろいろ考えることもあったのだと思います。
彼女にとってみれば、今から『浮気』をしようとしているのですから。
典子の行動が何度か止まろうとしました。その度に『ヒデちゃん、』と声を掛けられ、それはホテルの部屋に入っても続きました。
彼女も心の葛藤と戦っていたのです。後で聞くのですが、旦那さんがああなってからは、男を知らないと言います。僕もかなりの間、女性を抱いていません。
ベッドに座る僕の隣に、典子が座るのには時間が掛かりました。何度も洗面所に行き、何度もソファーに腰掛けていたからです。
『おいでや。』、僕の掛けた声に典子の重い腰が上がりました。不安な顔をして、それでも僕の隣に座ります。
『中学校の時さぁ、僕の部屋で、』、そう言った瞬間、典子の言葉が割って入ります。
『そうそう、キスしたよねぇー。覚えてるー。』と、それは二人の緊張をほぐすには充分な言葉でした。
典子の唇が『よろしくお願いします。』になりました。そこで、僕と彼女は30年ぶりのキスをするのです。
ファーストキスがあるなら、それは二人のセカンドキス。しかしその間には、30年という空間が出来ています。
セカンドキスは、彼女の笑顔から始まりました。恥ずかしいのか笑みが溢れ、なかなか集中出来ないでいました。
『笑うなよ~。』と言っても、『しょうがないでしょ、笑ってしまうんだからー。』と身勝手な言い訳をします。
典子の顔が真顔になったのは、僕の手が胸に触れてからでした。いらずらをしようとする手を、『イヤッ…。』と握り絞められます。
同じ44歳でも、典子は僕よりもずっと大人でした。20年旦那の主婦をして、子供を育てあげた経験でしょう。
家庭も持たず、仕事ばかりしてきた僕には、彼女はそう見えてしまいます。
典子の服のボタンに手を掛けました。彼女は脱がされようとしている自分の胸元を見ていました。きっと、抱かれる主婦の確認に違いありません。
そうやって旦那に何度も抱かれて来たのでしょう。
『胸、汚なくない?』、典子は聞いて来ました。黒くて大きな乳輪と乳首、お世辞にもきれいとは言えません。
しかし、彼女の言葉など気にせず、僕は身体を傾けて、その乳首に子供のように口をつけるのです。すぐに彼女の手が頭を支えました。
まるで赤ん坊に乳を飲ませているようです。
典子の黒い乳首は、僕の舌によってまんまると膨れます。飴玉のようになり、ちぎれ落ちるんじゃないかと心配するほどです。
『ヒデちゃん、気持ちいいよ…。』、中学3年の彼女しか知らない僕に、この言葉には感慨深いものがあります。
当時は処女だった典子も、それからいろいろと経験を重ねて、今はもう男に抱かれ慣れをした熟女になっていたのです。
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