ゆう子「はい・・・はい!分かりました」
「ええ!・・・ええ!、はい!」
「分かりました。・・はい、お願い致します」
電話で相手の機関と連絡を取って、面談の期日を確認する。
そして帰って来た彼をも含めてのスケジュールが決められて行く。
そのあらゆる手続きが瞬く間に定まって、ゆう子は正に不退転の決意で臨む事となった。
康治「えっと・・私の役目は?・・」
「何をすれば・・」
麻由美「貴方は決められた時期に、決められた場所で」
「思いっきり元気な精子を提供するだけよ!!」
康治「なるほど・・」
「あ、いや、しかし・・」
「思いっきりって云われても・・なぁ・・」
雅美「大丈夫よ!!」
「ここで、ちゃんとした証明が出来た訳だから!」
雅美は笑って自らのお腹をさする。
康治「ああ!・・ははっ!」
彼はひたすら苦笑いをするしか無かった。
ゆう子「ごめんなさい・・」
「貴方にまで、複雑な事に巻き込んじゃって・・」
麻由美「ゆう子! 気にする事なんか無いわよ!」
「彼ったら、もう今からやる気満々なんだから!!」
麻由美は彼の履くズボンの股間を見逃さなかった。
その股間は、まだ計画の段階であるのに、見事に盛り上がっている。
彼はゆう子への孕ませ願望が急にリアリティーを持って来た事だけでペニスを勃起させている。
麻由美「まだまだ先は長いのに・・」
「もう準備しちゃって・・」
「もったいない!!」
ゆう子「ホ~ント!勿体ない!!」
麻由美とゆう子は顔を見合わせて笑う。
雅美「なになに?」
「どうしたの?」
麻由美「別に・・何でもないわ!!」
「ねぇ~、ゆう子?」
ゆう子「ネェ~!何でも無いわよねぇ~!!」
雅美は母の癖を見逃さなかった。
母は嘘を吐く時には必ず鼻の孔を膨らませる。
彼女は彼に耳打ちをした。
雅美「あの人達、何か企んでるみたいよっ!!」
康治「たっ、企み?・・」
彼は彼女らの企みを後で知る事になる。
そして数日後、彼はゆう子からメールを貰う。
ゆう子(お忙しいところ申し訳ございませんが)
(明日の夜、渡航の打ち合わせを行いたいのです)
(PM7時からになります)
(よろしくお願いいたします)
康治「明日の夜ねっと・・」
彼は明日の仕事内容をチェックして問題無い事を確認する。
康治「ゆう子さん・・随分と仕事が早いなあ~?」
彼は雅美の助言が空しい程に役に立たさせず、簡単に彼女らの計略に乗っかって仕舞った。
次の日彼は、のこのこと彼女の店へと伺って行く。
その彼女は数件の店を展開していた。
共に駅から歩いて数分の所に在り、その全部が地下一階、地上三建てのビルとなっている。
今、彼が向かっているのは本店であった。
彼は以前と同じように扉を開ける。
康治「ごめんください!」
しかし、今回は以前より、ちょっぴり堂々としていた。
ゆう子「はい!どうぞ~!」
「中にお入りになって~!」
奥から聞こえて来る声はゆう子の声である。
彼は何故、出迎えてくれないのだろうと疑問に思ったが、直ぐにその答えは解明した。
ゆう子「ハ~イ!!ようこそあなた!!」
彼女が来ていた衣装は、あの派手なボディコンワンピースだったのだ。
麻由美「は~い!!」
「何よ! ちょっと遅かったわねっ!!」
そして、ななっ、なんと!
予想すら不可能であった麻由美までが真っ赤なボディコン姿で出迎えて来た。
ゆう子・麻由美「いらっしゃ~い!!」
彼女らは、ふわふわの扇子を扇ぎながら彼に風を送っている。
彼は目が点に成った上に、呆然と立ち尽くして仕舞った。
そして何度も目を擦っては見たが、その光景には何ら変化が無かった。
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