過去の或る日の事。
夏のじりじりとする暑さだけが特徴の、何の変哲もない平凡な一日が過ぎて、仕事が終わろうとしていたその時。
彼の両目は強制的に刮目させられ、脳から指令を受けた下半身はいきなり極度に充血してしまった。
彼の目に映ったモノは、赤と青の花柄をあしらった超ミニスカートと濃いベージュのブラが透けて見える白いシャツを着た美しい女性であった。
彼女の名は直ぐに判った。
家のドアを特定して住人の名簿を調べる。
彼女は雅美と云う名であった。
彼は彼女の美貌とスタイルに夢中になり、彼女の事を調べ上げた。
夫婦ともに30過ぎでスポーツクラブで水泳をたしなみ、朝早く夜遅い夫を待ち続けていた。
少なくとも彼には、そう見えた。
更に彼女には定期的な訪問者が居た。
年齢は高めだが、美しさでは彼女の上を行く。
彼はその女性の事にも興味を持った。
そしてその女性は彼女の母親だと判明する。
彼は彼女の母親にも、強く思いを傾けて行く。
康治「うっ、うう~ん・・・」
彼はソファーに深く座って、うたた寝をしてしまった。
浅い眠りの中で、これまで二人の彼女と関わって来た顛末を回想していた。
その眠りから現実に引き戻したのは雅美であった。
雅美「康治さん、起きてください・・やす・・」
彼は彼女の声で眼が覚めた。
康治「んんっ!?・・・あれ?・・」
「あぁ!・・寝ちゃったのか・・」
雅美「ここだと風邪引いちゃいます」
「ちゃんとベッドに入ってください」
康治「・・お母さん、は?・・」
雅美「もう、寝ちゃいました」
「映画で盛り上がり過ぎちゃって・・」
「お酒が入ったらもう、バタンキューっです!」
康治「そう!じゃあ私も・・」
彼が彼女へ、そう告げようとすると彼女が言葉を重ねて来た。
雅美「あの・・さっきはごめんなさい・・」
「母に調子を併せちゃって・・」
彼女は食事の時の事を云っているらしい。
彼も彼女に言葉を重ねて行く。
康治「えっ?・・そうなの?・・」
「・・うん・・わかった・・おやすみ・・」
彼が寝室へ向かうと彼女が呼び止めた。
雅美「・・愛してる・・」
「色々有ったけど・・今が正解みたい・・」
彼は真剣な表情の彼女に驚き応える。
康治「ああ!でも君には随分と酷い事を・・しちゃったね・・」
彼は、先程の夢を思い出しながら言葉にした。
雅美「ううんっ!!」
「そんな事、ない・・」
「だって・・・」
康治「んっ?」
雅美「だって、貴方と出会いそうなタイミングの時は・・・」
「いつもワザと露出を多めにしてたし・・・」
「これは・・母には内緒・・ねっ!!」
康治「ああ、そうなんだ・・」
彼は、そう言葉を出してから、ハタと気が付いた。
康治「えっ?えええぇ~~???・・・」
雅美「でも、いきなりレイプされそうになった時は・・・」
康治「・・ん、ゴクリッ!!・・」
雅美「ちょっと怖かった・・かも・・」
康治「!・・!・・・!」
雅美「あの時はもう、前の夫とは・・」
「冷たい間柄だった・・から・・」
彼は、本当に驚愕した。
雅美「あれが違う人だったら、私・・」
「何が何でも、K察に飛び込んでたよ!」
彼は、話が違う・・と思った。
だが、自分への特別な対応について、嬉しくも思った。
何しろ複雑な心境であった。
雅美「話は・・それだけ・・」
「じゃあ、おやすみなさい」
二人は彼女の実家で同居を始めていたが、まだ部屋は別々にしていた。
雅美「あっ!!そうそう!」
「さっきのお母さんの返事・・」
「びっくりさせてごめんなさい」
康治「あ、いや、そんな事・・」
雅美「母ったら、久々に彼が出来て舞い上がってるの!」
「許してあげてね!」
康治「うっ、うん・・分かった!!」
雅美「ありがとう!おやすみなさい」
迷惑どころか、3PのOKを貰い、彼には好都合ではあった。
だが、彼女に心配させて申し訳ない事をしたと反省もした。
兎に角、彼女にはびっくりさせられた。
だが同時に、彼女の大胆さと冷静さには本当に頭が下がった。
彼は彼女を大切にしようと心から思った。
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