雅美「いってらっしゃい・・・」
彼女、雅美の最近の日課は、夫を送り出してからジョギングに出掛ける事であった。
夫との平凡な毎日が彼、康治が現れた事によって一変してしまった。
彼女は彼に、より気に入られ様と毎朝ダイエット目的の運動を始めた。
そんな状況であれば夫との夜の生活も無くなって仕舞うのも無理は無い。
元々彼女の夫はSEXに淡泊であった上に、最近は彼女との会話も激減していた。
彼女が意識的に夫を避けて仕舞っているのかもしれない。
彼女にとって、社内恋愛で何となく結婚してしまった夫には何の未練も無かった。
勢い、夫の方も彼女を敬遠し始め、外に女性を作っているフシもある。
雅美「おはようございます!」
「今朝も良い天気ですね!」
康治「おはようございます!」
「毎朝の運動、ご苦労様です」
二人はよそよそしく挨拶をする。
これは彼が提案した二人だけの作法であった。
何時何処に他人の目が有るやもしれない。
慎重な性格の彼ならではであった。
暫くして彼女がジョギングから帰って来る。
彼女は彼と目だけを合わせて、通り過ぎて行く。
傍から見れば完璧な他人同士である。
だが彼女は近頃考えを変えた。
彼の為に本気で離婚しようと。
であれば当然、子作りは離婚後でなければならない。
二人は、ここ最近密かに会ってSEXをする事が無くなった。
彼の方も考えが変わって来た。
そろそろ本気で身を固めてもいいかなと。
彼女なら、その相手としては申し分無い。
彼は彼女によって変わってしまった。
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