監視員「だっ、大丈夫ですか?」
ぐったりとした彼女を抱えて彼がプールサイドに上がって来る。
康治「ははっ!(笑)ちょっと真剣になり過ぎました!」
「全然!問題無いですよ!」
彼は意識の薄い彼女を抱えてプールサイドのベンチに腰掛ける。
そして夫婦の様に甲斐甲斐しく彼女をサポートして行く。
康治「雅美さん!」
「もう、大丈夫!」
「此処は陸の上ですよ!安心して!」
彼の冗談を込めた励ましに彼女は薄目を開けて応えた。
雅美「ふふっ(笑)」
「康治さんって・・」
「優しいのね!」
彼女は笑顔を見せる。
そのほほ笑みは嘘偽りの全く無いモノである。
彼は予想以上の成果に大満足した。
康治「もう、今日は終わりにしましょう!」
「雅美さん、着替えられる?」
雅美「うんっ!へーきだと思う!」
彼女は気丈さを見せて、よろよろと更衣室へと向かう。
彼は急いで着換えに走った。
そして二人は帰りの車中で、まったりとした時間を過ごして行く。
一線を完璧に越えて、精神をも含め本当の男女関係になって仕舞った二人は、彼が運転中にも関わらず手をしっかりと握り合っている。
彼女の安心し切った顔と緩み切った身体を見て、彼は思わずほくそ笑んで仕舞う。
これからどうやって彼女の身体を弄んで凌辱して行くか。
彼の期待は留まりを知らずに膨らんで行く。
日付けと場所が変わって、此処は或るエステサロン。
雅美の母、麻由美が足繁く通うお気に入りの場所である。
「○○様、またのご利用を心よりお待ちしております」
麻由美「ありがとう!」
「また、寄らさせて貰いますね!」
夫と死別して十数年が経つ。
彼の実家からの支援で建てた持ち家に住み、ローンの心配も無く生命保険の保障も入って悠々自適な生活を送っていた。
彼女の趣味はアンチエイジングであった。
たった一人の娘を嫁がせて自分の役目は、ほぼ終わって仕舞った。
だがこのまま年老いて行くのは余りにも寂しい。
彼女は身体と心だけでも出来るだけ若く保とうと思った。
だが、新たな出会いなどと云うものは、なかなか無いのが現状である。
彼女自身が美し過ぎて、同年代の男性が尻込みしてしまう性でもある。
兎に角、彼女は只々寂しかった。
そんなところへ降って湧いた雅美の問題である。
彼女は娘の行く末を憂いて、真剣にこの問題に取り組もうとしていた。
そこで彼女は、ふと気付いた。
娘の雅美が定期的に何処かへ出掛けている事を。
雅美の不安を払拭する為に彼女の家へと通っているのに、何故か決まって〇曜日に出掛けて行く。
彼女は、その行動を疑っていた。
もしかしたら娘は誰かに脅されて居るのかもしれない。
そう思い付いてしまったら、居ても立っても居られない。
彼女は実力で行動した。
問題の〇曜日。
彼女は車の中で娘の家を監視していた。
すると、見知らぬ車が家の前で止まった。
暫くすると、家から娘が出て来た。
娘は笑って車に乗り込んで行く。
彼女は取り敢えず、その車を尾行する事にした。
二人の乗った車は郊外へと進んで行く。
そして止まった処は何の変哲もない、只の温水プールであった。
麻由美「一体、誰とこんな処に?」
彼女の疑問はこの後直ぐに解明する。
車から出て来たのは、娘と彼女が住むマンションの管理人であったのだ。
麻由美「何で?」
「何故、あの二人が?・・・」
そして、その疑問も直ぐに謎は解ける。
彼女は二階に在る、ガラス張りになっているギャラリースペースに身を潜ませていると水着姿になった二人が現れた。
麻由美「二人で水泳?」
「只の?」
二人は仲が良さそうに振舞って、互いに笑い合っている。
だが、その後彼女は驚愕する。
プールに入った二人は、身体を寄せあって泳ぎ始めたのだ。
麻由美「あの子!!」
「何で?!!」
「貴女は夫の有る身でしょ!!」
それだけならまだ良かった。
次の瞬間、彼女は更なる驚愕をして身の毛がよだった。
二人は周りに分からぬ様に、互いの股間を寄せ合っていた。
麻由美「まっ、雅、美・・・」
横からでは分からないであろう。
二人は巧妙に股間を寄せ合って、まるで性交渉をしている様である。
いや、母だから分かる事がある。
娘の表情は女のそれであった。
麻由美「間違いない!!」
「二人は・・・」
二人は衆人環視の下、誰にもはばからずに堂々とセックスをしているのだ。
麻由美「何故?どうして?・・・」
「こんな・・こんな事って?・・」
彼女のはらわたは煮えくり返った。
可愛い娘を食い物にするあの男が悪魔の様に見えた。
彼女は手を握り締め、眉間にシワを強く寄せて考える。
一体、どうしたらこの状況を上手く収める事が出来るのか。
いきなり然るべき場所に訴えでもしたら、逆に娘の命取りになる。
彼女は暫く考えて、心を決めた。
直接、彼に会って真意を問い正そうと。
次の日、彼女は行動する。
娘の住むマンションへ行って彼女に分からぬ様に彼と対面した。
麻由美「いつも娘がお世話になっております」
彼女は皮肉を込めて彼に云う。
彼は、その表情と様子を不審に思い、気を引き締めた。
康治「いえ、こちらこそお世話様でございます!」
彼は心を読み取られぬ様、笑顔で対応する。
麻由美「あの、此処では話辛い事なんですが・・」
「ちょっと、外に出ませんか?」
彼は確信した。
彼女には全てがバレている事を。
だが、何故バレたのか。
しかし彼にとって、こう云う事態も想定内であった。
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