春の息吹が感じられる様になって来た頃に、ゆう子の代理母となる女性が決まって彼女と康治は渡航する事になった。
行き先はハワイである。
女性は米国人では無いが、滞在して出産する場所は米国であり依頼したゆう子は日本人である。
この事実だけを見ても、依頼者の法律的な位置付けは厳しく難しい立場である事が分かる。
だが彼女は決断をしたのだ。
どの様な困難が待ち受けて居ようとも。
そしてその精神的なサポートと実際の精子提供者として彼も数日間同行する。
その後は関係機関がチームとしてサポートする弁護士と付き添い人がゆう子に同行して行く。
彼女も数週間後には一時帰国出来ると云う。
その渡航前日の夜。
彼は雅美と夕食の最中であった。
この日、麻由美は所用で帰りが遅くなると云う。
雅美「いよいよ明日、だね・・」
「康治さん・・不安は無いの?」
康治「う~ん!・・全部、関係者に任せているからねぇ~」
「不安は無いな!」
雅美「じゃあ・・あっちの方も・・」
「至って、普通・・なの?・・」
康治「ああ!全然何ともないよ!」
「精液採取ったって、別に特殊な事を・・・」
彼はそこまで言って彼女の様子が変である事に気付いた。
彼女は軽く身悶えしながら下を向いて仕舞って居る。
彼は、もしやと気付いて彼女にそれとなく質問をぶつけてみる。
康治「そう云えば最近、雅美と仲良くしてないかなあ~?」
彼女は黙ったままうつむいて仕舞った。
彼は彼女の様子を見て確信する。
彼女は自分と”夜の仲良し“をしたいのだと。
だが彼女は妊娠中で無茶な事は出来ない。
いくら安定期に入ったとはいえ、彼女の膣内は赤ちゃんの居る場所の直ぐ近くである。
彼がノコノコと出入りして良い場所では無い。
そこで彼は考えた。
彼女と自らが同時に満足できる事を。
彼は彼女へ、それと無く伝えて行く。
康治「いやぁあ~!!最近何だか溜まっちゃってさぁ~!」
彼はいきなり下ネタを振って来た。
雅美「どうしたの?」
「何が溜まっちゃったの?」
彼女はいきなりの話で訳が分からなかった。
康治「ぁ、いや・・何がって云われても・・」
雅美「まさか・・仕事上でトラブルでも有った?・・の?」
「・・それでストレスが・・」
彼女は偶にワザとじゃないのか?という様なボケを言う。
それならばと、彼が更に突っ込んで行く。
康治「あぃ痛てててっ!」
「やばい!!」
「ここ、腫れちゃったよっ!!」
彼はこれ見よがしに自分の股間を指して彼女に訴える。
雅美「えええっ?大変!!」
「どっ、どうする?どうしよう?」
「お医者さん?救急車?・・何?・・どうしちゃったの?」
ここまで来ると最早、漫才のボケにも使えない。
彼は仕方が無く、彼女へストレートに伝えて行く。
康治「あの~、雅美さん?」
「もしかしてワザとじゃ?」
雅美「ワザと?・・何を?・・」
彼は両肘を曲げて手を少し挙げながら天を睨む。
そしておもむろに彼女へ向かって言葉を発して行く。
康治「雅美さんは今、エッチな気分じゃないんですか?」
雅美「はい!・・あ、いや・・ええっ?!!」
彼女はやっと彼の云いたい事が飲み込めた様である。
雅美「・・あの・・ごめんなさい!」
康治「いやいや、分かってくれれば、それでいいんですよ・・」
彼はやっと意志を伝える事が出来てホッとした。
すると今度は彼女の方から質問が来た。
雅美「康治さん・・私いま・・エッチ出来ないの!」
「どうしよう・・」
「ごめんね!」
「私が妊娠をしちゃったから・・」
「本当に・・ごめんね!」
今度は、泣き出しそうな勢いになって仕舞う彼女であった。
彼は話をここまで引っ張って仕舞ったのは自分の責任だと思って、うなだれる彼女に詫びて行く。
康治「そんな・・そんな事、ないよ!」
「悪いのは私・・だから、ねっ!」
彼は彼女の肩をポンポンと叩きながら詫びを入れる。
そして彼は思う。
康治「一体全体・・何の話だったのかなぁ~?」
二人の仲睦まじい夜は深々と更けて行く。
それから一時間後。
二人の姿はベッドの上に在った。
彼女は彼のペニスを咥えて、優しく舌を這わせて行く。
雅美「やすはるさ~ん!」
「ホントにごめんね~!」
「ひょっとして・・私って馬鹿なのかも?・・」
彼女は舌先で彼の亀頭から滲み出るカウパー液をすすりながら飲み込んでは、彼に対して謝りを告げる。
康治「そっ、そんな、事は・・ない、よ!!」
「雅美、は・・聡明でぇ・・可愛い女性、だよ!!」
雅美「ありがとう!!」
「貴方にそう言って貰えると・・うれしいなっ!!」
彼女は、尚も献身的に彼のペニスを舐め上げて行く。
「クチョッ! クチュッ! はむっ! もむっ! リュルッ!」
彼女は自らのスカートに手を忍び込ませて、パンティー越しにクリトリスをクリュクリュとなぶりながら、ペニスを愛して行く。
舌全体で竿を舐め上げたり、睾丸袋を頬張ってみたりと実に楽しそうではある。
雅美「康治さん?・・いっぱい出してね!」
「私が、全~部ぅ、飲み込んで、あ・げ・るっ!!」
彼女のその一言で、彼の睾丸の堰は切れた。
そのハワイへと持ち越す筈であった濃厚な精液を、雅美の喉へと一気に吐き出して行く。
「ズビュルッ!! ビュバッ! ズビュルルッ!」
雅美「・・・!!」
「!んんっ、ふっ! ぅんんっ! んぁぅぅっ!!」
彼のアメリカへ行く筈であった精液は彼女の喉へと飲み込まれて行く。
しかし、精子は又、睾丸で作れば良いだけであった。
彼は愛する女性に己の全てを飲み込んで欲しいとまで思っていた。
康治「まさ、み・・ふっ!んんぁっ!!・・まさみ、まさ・・み・」
二人の熱くてちょっとおとぼけな夜は、更に深く更けて行くのであった。
次の朝。
タクシーで迎えに来たゆう子に同乗して彼が旅立つ。
雅美と麻由美は寂しさでいっぱいに成っていた。
たった数日の旅だと云うのにである。
麻由美「それじゃあ・・ゆう子・・」
「彼の事、よろしくね!」
ゆう子「何言ってんのよ!麻由美ったら!!」
「私の事が心配なんじゃないの?・・ホントは!!」
「順序が逆じゃない?」
麻由美「ごめ~ん!!そうだった!!」
「悪かったわ!!・・気にしないで!」
ゆう子「気にしないでって・・それも私のセリフ!!」
麻由美は両手を合わせて彼女に詫びている。
雅美「ゆう子さん・・」
「余り、頑張り過ぎないで、ね!」
「彼にぜ~んぶ面倒な事」
「押し付けちゃった方が良いと思いますよ!」
昨夜のボケと今朝の大人の発言と・・。
雅美の魅力はそこに在ると彼は思った。
ゆう子「それじゃ、いってきま~す!」
康治「行って来ます」
「後は、よろしく!」
麻由美「いってらっしゃ~い!!」
雅美「・・・・・(泣)」
二人は旅立って行った。
雅美と麻由美は車が見えなくなるまで、彼女達に手を振りながら見送って居た。
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