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人妻熟女 官能小説

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9
投稿者:ルコック
まささん はじめ楽しみにして下さっている方々 ありがとうございます。


熟事務員 Ⅱ ⑲

そこは 朝市とは言うものの、『観光客向け』の色が濃い様に俺には見えた。
実際 土曜日も手伝ってか 観光客で賑わっていた。

朱美さんが言うように『アメ横』の様な 人の流れに順じながら歩いていると、後ろから『悦子さぁん』と、しずちゃんの声が聞こえた。

小走りに駆け寄ってきた しずちゃんが ピタッと悦ちゃんに引っ付いた。

悦子
「ちょっとぉ!、貴女はあっち。」
と、少し離れた板東を指差した。
「板東さぁん。」
と、手を振りながら板東を呼んで
「この子さぁ、(私達の)邪魔するのよぉ。」
「見ててくんない?」
「迷子になりそうで危なっかしいし。」
「ほらっ!」
と、しずちゃんを押した。
そして 何食わぬ顔で 俺に腕を組んで
「板東さん。お願いねぇ。」
と、手を振っていた。

板東を取り巻いていたパートさん達は 怪訝な顔つきをしているし、板東は 意味ありげに 俺をキリッと睨んだ。

人の流れに身を任せながら見てまわった。
皆 一様に、何とか水産だのと書かれた お土産袋を手にしはじめた。
朱美さんも 他聞にもれず 何か品定めをしている。
それに気付いているハズの悦ちゃんが、組んだ俺の腕を引くように 歩いている。


「(朱美さん)いいの?」

悦子
「いいの、いいの。」
「旦那や家族のお土産なんだから。」
「選ばせてあげましょ。」

なんだか俺には 嫉妬まじりに聞こえた。
結局 朱美さんが俺達に追い付くことはなかった。

俺と悦ちゃんがバスに戻ると 板東が早々と帰ってきていた。パートさん達は まだらしかった。

その板東が
「おい、あれは幾らなんでも露骨すぎねぇか?」
「パートさん達も どっか はぐれちゃったし。」

悦子
「だけとさ、しずちゃんなら不倫なんかには ならないわよぉ?」
「ポッチャリは お嫌い?」

板東
「(ポッチャリ)そんな事ぁないけど、不倫とか あんた等には言われたくないなぁ(笑)」

悦子
「なら良いじゃない?」
「あとは 宜しくね。」

と通路ごしに話しをしてると、朱美さんと合流したらしいパートさん達もバスに戻ってきた。

ガイドさんからの案内では、途中のトイレ休憩のみで 金沢に直行するらしい。
昨日とは うってかわって ほぼ全員が寝息をたてている。
俺も その内の1人で、トイレ休憩を一度 それもボーッとしていて ほとんど覚えていない。

金沢に着いたのは11:00に少し前だったと思う。
昼食をとるレストランの前でバスが停まった。
自由散策のあと 12:30~の昼食 との案内がガイドさんからあった。

さすがに 一時期 しきりにニュースで 金沢の駅が取り上げられただけの事はある。
皆が駅を目指した。
駅前に着いても、駅舎をバックに写真撮影をする人達で ごった返している。
結局 俺達も仲間内で撮ったのだが。

さて、どぅしたもんか?。
右も左も分からない。
今回は、そもそも観光目的ではなかったので、下調べなど何もしていない。
朱美さんや悦ちゃんなどは、『きっと誰かが調べてくる。あたしゃ、ついてけばいいや。』
と、のほほん としてたらしい。

結局 駅前の土産物店や雑貨屋さんや洋服屋さん などをブラブラと物色して時間を潰した。

朱美さんと悦ちゃんの あとをついて歩きながらも、俺は 板東としずちゃんの事が頭から離れなかった。

チンケな責任感からくるものなのか?。
あの、ボン ボン ボンとした身体に魅せられたのか?。
その両方だったんだと思う。
何か気になってしかたなかった。

何とか時間を潰し、レストランに戻った。
既に何人か戻って来てる人もいた。

宴会場の時の様に、悦ちゃんが一番端 隣に朱美さん。
悦ちゃんの前に俺が座った。
幸いテーブル席だったので、靴を脱いで、足で 2人の脛や脹ら脛を擽ったりしながら開始をまった。

そんな事をしていると、板東たちがやってきた。
俺の隣に板東 その隣にしずちゃん。
しずちゃんの前 悦ちゃんの隣に、『ここ、いいですか?』と言いながら 殆ど絡みのない 例のパートさん達とはべつのパートさんが2人並んで座った。

聞けば、しずちゃんは、自由散策のあいだ ずっと板東に ベッタリ だったらしい。
そんな 楽しそうな しずちゃんの1人舞台の昼食だった。

昼食を終え、あとは ひたすらバスに揺られて帰るだけ。

今回の旅行の2日目は、描いていた妄想とは裏腹に 何事もなく終わろうとしていた。

バスが帰路に着くとすぐに、ガイドさんから案内があった。
渋滞が予想される事、最後のトイレ休憩は軽食を取れる様に長めに予定している事、などだった。
で、昼食後の お昼寝タイムとなった。
天井からテレビモニターが降りてきた。
『天使にラブソングを…』の上映が始まった。
映画が始まるとすぐに、通路ごしに 板東が悦ちゃんに 何やら耳打ちをしている。
と、すぐに 板東と悦ちゃんが入れ替わり、板東が俺の隣に座った。俺に話があるらしい。


「どうした?。しずちゃんの事?」
「ゴメンな。迷惑かけちゃったな。」

板東
「実は俺、付き合ってる女性 居んだよ。」
「…岩渕さん。」


「岩渕さん。て、あの岩渕さん?」

板東
「そ、あの岩渕さん。」
「さっき、飯食ったあとに、『どぅゆうつもり?』って言われちゃってさ。しずちゃんの事。」
「で、工藤や悦ちゃん達が…。って言っちゃったんだけとさ。」


「そう!。あの 岩渕さんと。」
「知らなかったとは言え、ホント ゴメン。」
「岩渕さんには 休憩の時にでも 俺から謝っとく。」
「なんなら 悦ちゃんとか とも。」

板東
「ありがと。」
「悪りーな。」


「悪いのは こっち だから、ゴメン。」

板東
「いや。ハッキリ言わなかった俺も悪いから。」
「ただ、しずちゃん。」
「彼女は何も悪くないじゃん。どうしたもんかな?って。」


「一緒に謝るか?、しずちゃんに。」

板東
「そうだな。頼む。」


「じゃぁ、長めの休憩の時にでも。」
「…にしても、岩渕さんとねぇ。」

岩渕さん とは、
バツ1の女性で、俺達よりも ひと回り近く 年下のハズ。
とは言っても このバツ1 が、いささか厄介で。
岩渕さん本人はもとより、元の旦那さんも この会社に勤務していて この旅行にも参加している。
要は、社内恋愛のすえの結婚、の すえの 離婚。

が、元の旦那は未練タラタラ。
ストーカーまがいの事も 度々 されているらしい。
その元の旦那が 何かと板東と仕事で絡む事が多い。

何年か前に『別居してるらしい』とか『(離婚が)本決まりらしい』とかの噂が有るのは俺も知っていた。
その噂が現実となり、『旧姓の岩渕に戻ったので…』と、岩渕さん本人から聞かされたのが、1年位前だったと思う。

仕事でも 元の旦那とも絡む事が多く、離婚を経験している 板東に、岩渕さんが何かと相談しているうちに…。
と言う、よくあるパターンだったらしい。

次のトイレ休憩の案内をガイドさんが始めた時に、板東と悦ちゃんが また入れ替わり 俺の隣に座った悦ちゃんが
「何?、しずちゃんの事?」


「そう。」
「でも、トイレの後に謝らなきゃならい人が居るから、詳しい事は、トイレから帰ったらね。」
と、『漏れちゃう、漏れちゃう』などと誤魔化しながら、バスを1番に降りて、先にトイレを済ませて、岩渕さんをトイレの前で待った。

「岩渕さん。」
と、トイレから出てきた岩渕さんに声をかけた。
「チョッと いいですか?」

岩渕
「あら!、工藤さんから声かけて貰えるなんて 珍しいですね。何ですかぁ?」


「ホントは、こんなトイレの後に、それも時間の無い時にする話しじゃ無いことは分かってるんですけど。」
「失礼だって事も。」
「でも、まずは お詫びをと思いまして。」

岩渕
「えっ?。何ですか?」


「伺いました、奴から。」
「知らなかった事とは言え、失礼しました。」
「しずちゃんが 結構 本気みたいだったんで、つい。」
「でも、奴はしずちゃん以上に真剣で、『岩渕さんを傷つけたくはないし、悲しませたくもない。』って。」
「けしかけたのは私なんで、奴が悪い訳じゃないんです。」

岩渕
「…判ってます。」
「何だか ビクビクしちゃって、コソコソしてた私達も悪いので…。」
「工藤さん達に どうこう とか無いですから。」
「ただ、工藤さん流 って言うんですかね、何処までが冗談で どっからがホントなんだか分からない ところ。」「朱美さんも悦ちゃんも楽しそうで、チョッとうらやましいなぁ、って。」
「彼にも そういう所 少し位有ってもいいかなぁ?、って。」


「それが奴の良いとこ だと思いますけど。」
「俺、奴と違って、根が高田純次なんで。」

岩渕
「高田純次なんて言ってる割には、先刻から 『奴、奴』って。周りを気にして 名前は出さないで いてくれてますよね?」
「そんな気遣い まったく無かったですから 夫だった人は。」


「でも奴は もっと(気が利く) でしょう?」
「だから しずちゃんにも無下には断れなくて…。」
「俺は奴のそんなとこに つけこんで…。」

岩渕
「…大丈夫ですって。」
「ただ出来れば、私は まだ怒ってた 事にしておいて下さい。」
「見せつけられた分、私にも少し 意地悪させて下さい。」


「分かりました。」
「奴には そう伝えておきます。カンカンで相手にして貰えなかった って。」
「ホント。すみませんでした。」

俺と岩渕さんが話しをしてる光景は 確かに珍しいらしい。

バスに近づくにつれて、二度見をする人 追い越しざまに振り返る人。
中には『なんだ工藤、今度は岩渕かぁ』と、からかう人もいた。
そんな人は、「そうなんすよ、普段あんまり話し出来ないんで、お茶 誘ってんすけどね。」
と、受け流したりしていた。

その度に岩渕さんは ケタケタと笑っていた。

「それじぁ。」
と、バスの前でわかれた。

バスに戻ると、すぐに板東が通路から身を乗り出し 悦ちゃんにも 構わず 聞いてきた。
「どうだった?」


「とりあって くんなかったけど、ひたすら謝った。」

板東
「その割には 笑ってなかったか?」


「ああ、お茶 誘ったら 笑って誤魔化された。」

板東
「謝りに行った奴が お茶なんか誘うか普通。」


「だから、俺は高田純次だって。」
「高田純次なら やりかねねぇだろ?」

板東
「いぃや。お前のいい加減さは 高田純次 以上だよ!」

そんなやり取りだったが、板東は 何となく 察した ように 俺には 思えた。

俺と板東の話が終わるのが 待ちきれない様に
「なに なに、何の話し?」
と、悦ちゃんが聞いてきた。

周りには聞こえない様に、小声で 事の経緯を 悦ちゃんに教えた。

「そう。そうだったんだぁ?」
と、板東を見ていた。
「しずちゃんには チャンと板東さんから話してあげて。」
「私達で けしかけといて無責任だけど、しずちゃん 本気みたいだから。」
「ちゃんと フッてあげて。」
「ゴメンね。お願い。」

板東は 黙って頷いていた。

最後のトイレ休憩。
俺と 板東と しずちゃんと 朱美さん と悦ちゃんと、5人で それぞれ 好きな軽食を食べながら、
悦ちゃんが「しずちゃん、実はね…。」
と、話し始めた。

すると朱美さんが
「あのね。帰ったら、て言うか、会社もどったら すぐに
家 帰らないとダメ?」
「悦ちゃんと3人で お茶 して帰ろっか?、って話してたの。」
「どお?、しずちゃん?」

しずちゃん
「3人でてすか?、大丈夫ですよ。」

朱美
「そう、良かった。俊ちゃんは奥さんが迎えにくるし、板東さんも何か有るんだって。だから3人で。」
「じゃぁ、バス 降りたら待ってて。」

しずちゃん
「はい。」

「こんな所で本当の事を聞かされたら、何処で癒せば良いのよ。」
「泣きながら バスに揺られるなんて 可哀想でしょ。」
「女どうしに 任せなさい。」
という 朱美の気遣いだった。ありがたかった。

バスが会社にもどる頃、朱美さんが
「俊ちゃん、ゴメン。勢いであんな事 言っちゃったけと、帰りは?」
「奥さん 無理なんでしょ?」


「板東、乗せてってくんない。」
「しずちゃんが どうにかなっても すぐ 動けるし。」
「朱美さん達が 憎まれ役 かってでてくれたんだ、俺らも そん位の 心づもり で居た方がいいよな?」

板東
「そうだな。」
「乗せてくよ、俺が。」
そう言うと スマホを取りだし メールを打ち始めた。

バスが会社に戻り、ガイドさんと進行役から話があり、解散となった。

解散となると すぐに板東が俺に荷物をあずけて
「悪りぃ。工藤 これ頼む。」
「朱美さん、俺が戻るまで 帰らないで待ってて。」
と言い残し バスを降りた。

俺と朱美さんと悦ちゃんとしずちゃんと、4人で待っていると、板東が岩渕さんを連れて戻ってきた。

板東
「しずちゃんゴメン。」
「俺 今 岩渕さんの事を真剣に考えてる。」
「だから、君の思いには応えてあげられない。ゴメン。」
「隠れるみたく コソコソとしてた、俺が悪い。」
「岩渕さんとの事は 工藤にも言ってなかった。」
「皆のこと、振り回してしまって ゴメン。」
「しずちゃん、ホント ゴメン。」

しずちゃん
「悦子さん、当たったら ホントに砕けちゃいましたぁ。」
「岩渕さん?、何で私より先に泣いちゃうんですかぁ?、
ズルくないですか?、それぇ。」
と、今にも泣きだしそうだった。

朱美
「そうだ。悦ちゃん家。」
「悦ちゃん家 行こうか?」

悦子
「そうだね、そうしよっか?」
「付き合ったげるよ、朝までだって。」

俺は 情けない事に しずちゃんに かけてあげる言葉も見つけられず、黙って 頭を下げて 3人を見送った。


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17/12/12 00:13 (y89XJeaA)
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