車中でのお互いの思いは様々でした。告白をしてスッキリした浅井さんは、どこか前向きに構えています。ホテルに向かう車の直進方向を見ています。
僕はと言えば、真逆です。25之年間童貞だったのです。この先もそうだと諦めていました。そんなヤツが、いよいよセックスに挑むのです。正常でいられるはずもなく、身体なんかフワフワです。
『どうしようか?』と聞かれました。少し遠回しに聞かれましたが、『どこのホテルに行く?』と言っているようなものです。
『あっちの方にあったよねぇ?』と言われ、ホテル街のある場所を知っている彼女に、少し嫌悪感を持ってもしまいます。
ここでも僕の幼さが出てしまいます。『浅井さん、最近はいつ男に抱かれたのか?』『初体験は?』『男は何人?』とそんなことをばかり考えてしまいます。
美人の40歳です。妹の母親代りをしていたとはいえ、男性経験が全然ないはすがない。それでも『もしかしたら…。』なんて、僅かな希望をもったりもします。
車はホテル街に入りました。7~8軒並ぶ、このホテルの中から選ぶことになるのです。助手席の浅井さんは、身体を前のめりにして探していました。
『ウキウキなのか?』と冷たく見てしまいます。一度通り過ぎると『あそこにしようか?』と指をさされます。
『どおせ、男と入ったことがあるホテルなんでしょ?』と更に冷たく思ってしまいます。しかし、違いました。単純に一番安いかったようです。
駐車場に車を停め、荷物を持った彼女は『お腹空いてない?大丈夫?』と心配をしてくれました。そういえば、夕食はまだなのです。
『何かあるでしょ?』と言い、ホテルに入って行きます。ラブホにオーターがあるなど、僕は知りませんでした。やはり、彼女は…。
部屋選びになり、パネルの前に止まります。20近い部屋に目移りをすると思っていたのに、『これにする?』とすぐに聞いてきます。
『いや~?他のがいい?』と聞かれ、『そこでいいです。』と答えます。カギを受けとり、そのカギは僕に渡されました。
エレベーターに乗り、部屋までの道のり。身体はフワフワでした。緊張が半端なく、身体に震えまで来ていました。それでも、冷静を装おうとしてしまいます。
部屋の扉にカギを挿し込みます。扉を開くと、僕なりのヒットが生まれました。彼女を先に部屋に入れたのです。それには『ありがとう。』と言われました。
レディファースト、両親の教育だったのか、知らない間に身についていたんですね。
部屋に入りました。真っ暗な中、浅井さんがスイッチを押しました。一気に明るくなります。彼女はそのままベッドに座り込み、僕はソファーに腰掛けます。
途端でした。『もぉ~、そんなに緊張しないの~。』と声を掛けてくれたのです。ホテル行きが決まってから、僕の硬さを彼女は気づいていたのでした。
『私も緊張してるのよ。タダシくん若いから、私の身体を見て、どう思うかなぁ~って。』と照れくさそうに言います。
そして、『初めてなのは最初だけ。2回目からはもう初めてじゃないから。』と、妙な言い回し僕をで励ましてくれました。
やはり、僕が童貞なのを気にしていることにコンプレックスを持っていることを、ちゃんと若ってくれていました。
『お願いします!』と言ってやりました。それには、『もお~、やめてよぉ~。』と彼女は笑ってくれました。
スッキリしました。彼女に『セックス、教えてください!』と言ったようなものです。おかげて、気が楽になりました。
それと、車の中で考えていた、『男の人数は?』とか『浅井さん、もしかしたら処女かも。』なんて浅い考えは飛んでしました。
『彼女が何十人もの男のチンポを食っていてもいい。』『セックス好きでもいい。』、ちゃんと全部教えてもろおうと思うのでした。
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